富士山の登山料を払わない ?保全協力費【1万円】でも半分の人は払う計算

朝焼けの富士山

富士山 登山料(入山料) 払う?払わない?

ここでは、富士山の入山料はいくらなら払うのか、払わないのかについて書いてみました

また、富士山保全協力金(入山料)をいくらに設定すると人を減らせるかについて紹介します

現在の富士山入山料は1000円ですが、調査の結果、推定で10,000円にしてようやく人が半分になるという試算がわかりました

 

富士山はこのくらい人気

富士山の入場規制は最近の登山状況からひしひしと感じています

最近の夏山シーズン(7~9月)の登山者の数はだいたい23~24万人

これは、10年前と比べると、「3万人くらい多い」計算になります

そして、富士山が世界文化遺産になった前後の年(平成25年)は、30万人を超える年もあったみたいですね

参考文献 :
環境省 関東地方環境事務所 「平成28年夏期の富士山登山者数について(お知らせ)」

 
 


富士山、恐るべし」

 
 

ここからわかるように、富士山の影響力はとんでもなく大きいです

日本一の山として「外国からの観光客」もとても多く、平日に富士山行きのバスに乗ったら、半分以上が「外国の方」だったということを聞いた事があります

その影響力がよく分かる質問の1つに、

「富士山は日本一高い山ですが、二番目に高い山はなーんだ」

という質問があります

登山をしている人なら一度は聞いた事がありますよね

答えは「北岳」

でも、山をやってない人は、多分まったく分からない質問

この質問でも分かるように、これだけ多くの山がある日本ですが、みんな「富士山」しか見えてないことになります
 
 


「それだけ富士山はすごいんです」

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日本の世界遺産の部第1位が「富士山」

2017年のグーグル検索ランキング(2017年1月~2017年5月15日まで)で、日本の世界遺産の部第1位が「富士山」になりました

オンラインで調べてみると、2015年の世界遺産検索の発表から比べ、富士山は大躍進を遂げて(とげて)います

 

ちなみに2015年の検索ランキングは

  1.  姫路城(兵庫)
  2.  高野山(和歌山)
  3.  軍艦島(端島炭鉱・長崎)
  4.  平等院(京都)
  5.  薬師寺(奈良)
  6.  醍醐寺(京都)
  7.  向島(東京都・小笠原村)
  8.  東大寺(奈良)
  9.  東寺(京都)
  10. 下鴨神社(京都)
  11. 松下村塾(山口)
  12. 韮山反射炉(静岡)
  13. 春日大社(奈良)
  14. 仁和寺(京都)
  15. 延暦寺(滋賀)
  16. 本栖湖(山梨)
  17. 原爆ドーム(広島)
  18. 上賀茂神社(京都)
  19. 興福寺(奈良)
  20. 西本願寺(京都)
  21. 龍安寺(京都)
  22. 天竜寺(京都)
  23. 唐招提寺(奈良)
  24. 高山寺(京都)
  25. 西芳寺(京都)
  26. 宇治上神社(京都)
  27. 今帰仁城跡(沖縄)
  28. 三池炭鉱(福岡)
  29. 日光二荒山神社(栃木)
  30. 識名園(沖縄)

参考:トラベルボイス
https://www.travelvoice.jp/20150622-45166

 
 

2015年の内訳を見てみると、建造物が検索の対象の中心で、自然のものが対象になっているものはとても少ないですね。

日本では1993年の白神山地と法隆寺、姫路城、屋久島が最初です。

2015年にはすでに、屋久島、白神山地以外にも、知床(2005)、小笠原諸島(2011)が世界自然遺産になっているにも関わらず、30位以内にはいってこないですね

整備や周知が進んでいなかったのでしょうか

高野山が2位になっていますが、高野山は、山そのものというよりは、宗教の中心地として見られているところがあるので、純粋に山岳の遺産というわけではないです

富士山が選ばれた理由も、山岳信仰と文化的意義を理由にした、「世界文化的遺産」として登録になったので、山岳信仰というところでは、高野山と同じように見えるかもしれません

 
 
そして2017年のランキングは

  1. 富士山
  2. 河口湖
  3. 清水寺
  4. 屋久島
  5. 姫路城
  6. 山中湖
  7. 金閣寺
  8. 本願寺
  9. 日光東照宮
  10. 二条城
  11. 厳島神社
  12. 東大寺
  13. 軍艦島
  14. 比叡山
  15. 知床
  16. 法隆寺
  17. 平泉
  18. 薬師寺
  19. 平等院
  20. 下鴨神社

参考サイト:livedoorニュース
 ( http://news.livedoor.com/article/detail/13114748/ )

 
 

富士山周辺は、富士山と川口湖のダブル受賞!!

「屋久島」や「知床」も一気に躍進です
 
 


「完全に「富士山」の世界遺産効果が「大」(^^;)」

 
 

影響力半端ないです
 
 

富士山は人が多すぎる

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世界遺産は、当初1972年にユネスコ総会によって
 

世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(世界遺産条約)
 

という条約が骨子となって、その世界遺産リストに登録された遺跡・景観・自然など、人類が共有すべき「顕著な普遍的価値」をもつ不動産のことをさしています

 
 
「・・・なんだかよくわかりませんね」
 
 

富士山は当初、「世界文化遺産」ではなく、「世界自然遺産」として登録をしようとしていましたが、ゴミ問題や土地開発などで、本来の自然環境が保たれていないことがネックとなって、登録への道のりがとても難しい状況でした
 
 
「これはゆーめーな話」
 
 

それを文化遺産として登録方針に修正されて、晴れて文化遺産で登録になりました

参考サイト:環境省 
「世界文化遺産「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」における環境省の取組について」
 
 

この内容から見ると、富士山は、どちらかと言えば、ギリギリ遺産になったということがわかります

そして、遺産になった現在でも、一番の問題はゴミとトイレ

富士山のゴミ、少しの気遣いで減らせます!|富士山日記|富士登山オフィシャルサイト

 
 

それを考えると、入山料をとってゴミなどを処理することは、理に適って(りにかなって)いると思うのですが・・

そうすれば、「オーバーユース」の問題も、「ゴミ片づけ」のために必要なお金の問題も、一挙に解決しそうな気がします

しかし、純粋な登山(山菜採りなどでなく)に対しての入山料と言うのは、日本の登山文化として一般的なことではないため、歓迎はされないでしょう

そんなものですね

 
 

また、なかなか近くに住んでいる人でなければ、写真やニュースくらいでは、ゴミの深い問題はわかりません

やはり直接見てみないと分からないと思います

この機会に、富士山の裏の顔を拝見しに行くことをおすすめします

そして、行ってその場で見てみると、入山料やごみ問題などを、深く考えることができること請け合いです

 
 

富士山の入山料 1万円でも半数は払う

今のところ、富士山の入山料は切の良いところで

 
「1,000円」
 

になっています

しかし、こちらの東京工業大学の論文をみると「1,000円」では登山者数を抑制することは難しいことがわかります

富士山における 登山者数制限と入山料効果に関する分析
  http://www.me.titech.ac.jp/~masui-kanamori/ronbun/abstract/AY2014/B2014_Junnosuke_Yasui.pdf)
(参考:富士山登山者数の上限の推計と入山料によるその実現可能性の評価
(参考:富士山登山者数の上限の推計と入山料によるその実現可能性の評価 71_II_339

下記は、東京工業大学の論文の中の、一定の削減率を満たす入山料の推定です

全期間 土日
吉田口 3,000円 7,000円
富士宮口 2,500円 8,000円
須走口 0円 2,500円
御殿場口 3,000円 6,000円

 

となります
 
 
土日8,000円くらいにしないと人は減らせない!
 
 
・・・絶句です

ですが、このデータでもっと驚いたのは「吉田ルート」の登山者数の抑制効果の表です

これをみると、

入山料 9,000円 10,000円
減少率 42.4% 45.8%

という結果です

シンプルに言うと

「入山料10,000円にすると登山者半分くらいになる」

ということです

というよりは、まだ半分は10,000円払っても登る人がいるということにびっくり

ということから考えると、現在の入山料「1,000円」というのは、少なくとも減るようなことにはつながらないということになります

そして、例えば入山料「10,000円」にしたとすると、登山客が半分に減る代わりに、登山をしない人からも反発が多くなると思います

山に登らない人は関係ないと思うのですが、そういう人からの批判もでてくるのは、目に見えています

難しいですねー
 
 

▼富士山保全協力金のお支払のお問い合わせはこちらをどうぞ
富士山保全協力

参考:富士登山オフィシャルサイト
 

登山の入山料は支払いたい!?

2014/9/10ニュース
富士山の入山料「払う」90%(日本経済新聞)
( http://mw.nikkei.com/sp/#!/article/DGXLASFK09H25_Z00C14A9I10000/ )

 
ここにこのように書いてありました

世界文化遺産に登録されて1年が経過した富士山。今夏から本格的に徴収が始まった入山料(保全協力金)について電子版の読者の皆さんに聞いたところ、「払う」が90.0%で、「払わない」は10.0%でした。

出典:日本経済新聞

 
 

実際は皆、入山料を支払いたいのです。

入山料を支払って、そのお金で、登山道の整備や、山小屋の管理、トイレの設置をしてほしいのです。

特に、去年富士山が世界遺産に登録されたので、よりそういう思いが強くなっているのは確かです。

 
 

入山料500円なら払う

また、このなかで、金額のことを言っています

見てみると、入山料1000円くらいが良いのでは、という方は45.6%です。

確かに富士山なら、1000円くらい払ってもいいような気がしますが、そこから見ると、そのほかの山は、それ以下というイメージを持っていると考えるのが妥当でしょうね。

2013年の記事ですが、こんな記事がありました。

 

2013/9/28ニュース
国立公園入園料、「500円なら払う」4割 内閣府調査
( http://mw.nikkei.com/sp/#!/article/DGXNASDG28021_Y3A920C1CR8000/ )

 
 

この記事をみると、500円くらいなら払うよということのようですね・・・

 
 

ハワイ国立公園の入園料(レンタカー料)は2,750円

他国の話ですが、ハワイの国立公園の入園料が上がったと言う記事がありました。

2017年6月1日からハワイ島のハワイ火山国立公園と、マウイ島のハレアカラ国立公園の入園料を値上げするようです。

レンタカーが20ドルを25ドルになったそうです。

1ドル110円で考えると2200円が2750円になる感じですね。

これを高いとみるか安いと見るかは、人それぞれですが、いま富士山などの入山料が話題の日本では、ちょっと反感を買いそうな値段ですね。

 
 

ここから、富士山の登山料と比べると、ハワイ火山国立公園の入園料は、2倍くらいなので、高いと思ってしまうかもしれません

しかし、このニュースのデータでも、金額はさておき、支払うと答えた人は90%いました。

 
 

立山の往復は1万円くらい

ここで立山に行くときの費用を見てみます。

(こちらの資料を参照しました。)

 ↓
「黒部ダム交通案内」
( https://www.kurobe-dam.com/access/ )

 
 

これをみると、扇沢から立山連峰手前の大観峰まで、片道で4000円弱!

 

往復を考えると、1万円近くなるんですね。

自分まだ行ったことがないので、こんなにかかるとは思っていませんでした。

それでも毎年、観光客や、登山客で賑わっている様子がテレビなどでよく見られます。

立山も富士山や他の山と一緒で、「中部山岳国立公園」の一部なので、条件は一緒です。

これだけを見ると、富士山もこれに近い入山料をお願いしても行けそうな気がします。

現在は、山梨県方面は、下から5合目までをつなぐ、「富士山有料道路(富士スバルライン)」を通行するのに2000円(普通車)の料金を支払う必要があります。

それがあっても1000円くらいが妥当と考えるのは、やはり、自分の足で歩くのだから、そのくらいのお金で勘弁してほしいというのが、本音だと思います。

 
 

まとめ

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このような状況ですので、入山料というのは、いまいち理解されないところがおおいようです。

それでも、今の山の膨大なゴミなどの環境の悪化を目の当たりし、入山料の意識がもっとより浸透しているようになると、もっといい状況になると思います。

 
 

日本は山と海の国。

 
 

自然に守られている国なので、その自然を大事にしていきたいですよね

最後のまとめとしては、やっぱり
 
 
入山料、任意で「1,000円!」
 
 
これで落ち着くしかないようです
 

今、大きく入山料を上げると、反発が厳しそう

でも、入山料を上げていかないと、「世界遺産はく奪」の可能性も高いのも事実

ここは、ユネスコから、厳しい「指導」が無ければ変わる事はないと思います

これも昔から言われていますが、
 
 

「日本は外からの圧力がないと変われない国」

 
 
なんでしょうね

ということで、とりあえず入山料「1,000円」払いましょう

以上です
 
 
参考文献
富士登山オフィシャルサイト

富士山入山料の効果(栗山 浩一(京都大学 教授))

富士山の登山者数の上限設定に対する登山者の意向