バックカントリーロープやフローティングロープとしおすすめのファイントラックのゴージュバッグをレビューしてみました
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バックカントリーロープの長さとか使い方とか
バックカントリースキーやボードのときに持って行くロープは、高所でなければ下記の3つで使うことが多く、2人で15mロープを2本持っていくと使い勝手が良いです
- ツリーポットに落ちてしまったとき
- 沢に転落してしまったとき
- 雪崩チェックのためにロープをつけてスキーカットするとき
この3つが考えられます
深いツリーポットに落ちてしまうと、自力で上がることが難しいときがあります。そのときはもう一人がロープを使って引っ張ります
また沢も穴に落ちてしまうと上に上がるのはかなり困難なのでロープを使います
ロープをつけてのスキーカットも雪崩の危険性があるときには有効です
クライミングとしてはほとんど使わないのでそれほど長さは必要ありません。15mから30m程度あれば良いと思います
バックカントリーロープおすすめ「ゴージュバッグ」レビュー
自分は沢登りと山スキーをしていますが、それらのアクティビティは安全のために、ロープを多用します
クライミングなどに使われるロープは大きく2つに分かれていて、
- ダイナミックロープ
- スタティックロープ
(バンジージャンプのように、荷重をかけると伸びて衝撃をやわらげる)
(伸びない。作業や救助に使われる)
に分かれています
クライミングでは通常ダイナミックロープを使いますが、濡れが多い場合は、重くなったり、強度が落ちたりします
そこで、濡れが多い沢登りや、山スキーでは、保水が少ないスタティックロープの中でも、さらに強度があり、保水しない
「ファイントラック ゴージュバッグ(フローティングロープ)」
の出番になります。
(ファイントラック ゴージュバッグ 15 【φ6.5㎜】)
ファイントラック社はメイドインジャパンを掲げた、ここ最近では気鋭のアウトドアメーカー
その「フローティングロープ」がとても優秀なので、詳しく紹介したいと思います
ゴージュバッグのメリット
このフローティングロープは4つの特長があります
- 強さ
- 軽さ
- 水に浮く
- 凍らない
この4つの特長が、ゴージュバックを人気を支えています
順番にレビューしてみます
ゴージュバッグの強さ
強さの根幹は
「ダイニーマ」
というポリエチレンの一種が大きくその役割を果たしています
このポリエチレン繊維は鉄の8倍の強さがあるといわれていて、細くても
「破断強度:1100㎏」
という驚異の強さを現実にしているのです
破断強度はゆっくりと荷重をかけて1100㎏で切れるということです
実際の考え方は、安全率の考えかたを加えるのが通常
よって
1100kg÷10(安全率)=110㎏
という計算になり、対外的には、
「110㎏までは通常切れませんよ」
ということになります。
ファイントラックのホームページでは
フローティングロープは身体確保に必要な引張強度、伸度、耐摩耗強力、耐熱性などを備えておりません。
登攀、ビレイ、懸垂下降、補助、フィックス、セルフビレイなどの身体確保には使用しないでください。
と言っているので、いくら110㎏以下でも登攀などに使うことは推奨していません
よって、あくまで「110㎏」という数字は、目安と考えていただくといいと思います
参考文献:
引張強度と許容応力と安全率
ゴージュバッグの軽さ
先ほど説明した「ダイニーマ」の強さのおかげで、径を小さくできます
そして、径を小さく出来ると言う事は、ロープ自体をとても軽くすることにつながります
一般的なパワーロープと比べてみます
※パワーロープとはクライミング用に推奨していない一般的なロープのこと
ゴージュバッグ径:6.5㎜破断強度:1100㎏重量:19g/m
パワーロープ | 径:6㎜ | 引張強度:720g | 重量:23g/m |
※参考のパワーロープです
ちょうどした大きさの径のサンプルがなかったので、多少径に差がある比較になってしまいましたが、それでも径が小さいパワーロープと比べると軽さは勝っています
軽さは登山にとっては大変重要な武器なのでとてもありがたいです
これもダイニーマのおかげです。
ゴージュバッグは水に浮く
これは特に沢登りや、ラフティングなどの夏のアクティビティの場合にとても重宝する機能です
ゴージュバッグはフローティングロープなので、水に浮きます
水に浮くと、何が効果的なのかというと、ロープを流しやすくなるのです
通常のダイナミックロープの場合は水に沈んでしまいますので、水の流れの勢いがかなり強くないと流れていきません
これが、水に浮くと、それほど流れが無くても、ゆっくりと流すことができるのです
流すことに何のメリットがあるかというと、おぼれている人や、対岸の人にロープを渡すためには、とても便利なんです
浮くと、それだけで視認性も高くなるため、良く目立つのもいいことの一つ
ロープが流されても、より視認性があるので、見逃しません
特にゴージュバッグは黄色で視認性はGOOD
ゴージュバッグは凍らない
これは、特に冬のアクティビティにとても重要な要素
中芯のダイニーマも被覆のポリプロピレンも保水をしにくいため、凍りにくいです
通常のロープの場合は、凍らせたくないので、濡れを気にしてしまいます
あまり濡れを気にしていると、もっと重要なところが疎か(おろそか)になってしまうので、濡れを気にせず使えるのはとても助かりますね
自分は冬のメインは山スキーなので、ガチガチの山岳コースに行かない限りは、ダイナミックロープは持ちません
その代わり、個人装備として、ゴージュバッグの15mのものを持っていくか、パーティの装備として、25mのゴージュバッグを持っていくようにしています
それなりの人数で行く場合は、全員が個人装備で15mを持った方が、緊急のときには、持ち寄ったロープを結んで使えるので、便利です
参考文献:日本化学繊維協会
仕様の確認
商品名 | ゴージュバッグ |
---|---|
重量: 15mタイプ | 357g |
重量: 25mタイプ | 560g |
素材 | 【ロープ】 表皮:ポリプロピレン52%、 中芯:ポリエチレン48%(ダイニーマ)、 【袋】ナイロン100% 【ロープ径】φ6.5㎜ |
破断強度 | 1100kg |
サイズ:15mタイプ | 17×11×7cm |
サイズ:25mタイプ | 20×11×10㎝ |
原産国 | 日本 |
こんなひとにおすすめ
1 沢登り・バックカントリースキー・ボードをする方
2 登山初心者の方
3 登山の形態がスピード重視の方
デメリットもある
このどの方向からも敵なしの「ゴージュバッグ」ですが、唯一「価格」は登山初心者の方には厳しいかもしれません
これがデメリット。
「15mタイプ」でも税込みで1万円くらいになってしまいます
それでも安全を取るにはこのロープは大変便利で頼りがいのある製品なので、初心者の方でも長く登山をするつもりであれば、個人装備として「15mタイプ」を持っておいた方がいいです
以上です おわり。
ファイントラックロープ一覧
(ファイントラック ゴージュバッグ 15 【φ6.5㎜】 個人装備用)
(ファイントラック ゴージュバッグ 25 【φ6.5㎜】 パーティに1つあるといいロープ)
こちらの「スローバッグ」は径がφ7.5㎜と太くなっていて、ラフティングやカヤックなどのスポーツのレスキュー用に作られています
また、沢登りなどのスポーツでも、体重の重い方の場合はこちらを使ったほういいかもしれません
(ファイントラック スローバッグ 20 【φ7.5㎜】)
こちらは腰(こし)にゴージュバックを簡単につけて、簡単に外せる「クイックレスキューベルト」
自分はゴージュバックをカラビナにつけて、腰のハーネスにつけていますが、ちょっとバタついて邪魔です
そんなときはこのクイックレスキューベルトを付けておくと、腰にピッタリ装着できるので、邪魔になりません
余裕のある方は買うと、とても便利な品です