御嶽山噴火手記|噴火事故は他人事ではない|スキー場・温泉近くの火山の知識
「イエローストーン国立公園 がかかえる火山の時限爆弾、マグマと噴火の関連性(アメリカ)」(http://www.excite.co.jp/News/odd/Karapaia_52240732.html)
出典:exciteニュース 2017年6月17日
このニュースではアメリカにある、大陸最大の火山地帯、イエローストーンの記事を書いています。
イエローストーンの下には、現在大量のマグマが溜まって(たまって)きていて、仮にこれが「超噴火」すれば、太陽を遮り、ミニ氷河期が訪れるかもしれないといっています
地球の時限爆弾ですね
そして、
イエローストーンは2百万年間隔で大規模な噴火を起こしてきたと考えられている。直近では120万年前と64万年前であり、そろそろ新たな噴火があってもおかしくないと言われている。
出典:exciteニュース
とも言われていて、注目されているようです
これが噴火したら大変
地球の歴史をみると、このような地球規模の環境変化は珍しくなく、いつでも小規模のものであれば起こりうることだと認識したほうがいいです
このようなときには、登山の装備(防寒やストーブなど)や備蓄食材などはとても便利で、災害などにも対応できるのはうれしいですね
まず、個人的にできることから、ちょっとずつ対策を練るしかないですね。
御嶽山噴火手記より|登山客を襲った御嶽山
イエローストーンの噴火は地球規模になりそうですが、2014年に噴火した御嶽山はその規模からすると、かなり小規模。
それでも、火口付近に人が多数いたため、大きな事故になってしまいました。
参考記事
↓
「生還女性が初めて語る「あの時」 「焼け死ぬのか、溶けるのかな…」」
出典:サンケイニュース 2015/9/28
これのくらいの規模の噴火は、長く登山をしていると、自分にも降りかかりそうな、ありそうな事故です。
日本の場合、最近の噴火の傾向は御嶽山のようなマグマがドロドロ出てくる噴火というよりは、一気に噴煙が舞うような噴火が多いですね。
一番最近の御嶽山の事故を見てみると、噴石と呼ばれる速度100㎞の速度で降ってくるようです。
御岳山の事故は、他の噴火の規模からみると、小さい方で、1991年の雲仙普賢岳の400分の1程度の規模と言われています。
なぜ小規模なのに、登山者ら58名が死亡した、日本における戦後最悪の火山災害となったかというと、
- 理由1 紅葉行楽シーズンのど真ん中
- 理由2 お昼近くに噴火
- 理由3 晴れていて登山日和
この3つの要因が重なり、火口近くに人が集まる時期に噴火が起こったため、規模が小さいにも関わらず戦後最悪と言われるような事故になったのです。
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御嶽山噴火手記|草津白根山の噴火
2018年1月26日、草津の白根山も噴火しました
こちらは水蒸気爆発ということで、予想するのがとても難しい噴火だということです
こちらも、スキー場の近くの災害ということもあって、人的被害がありました
ご冥福をお祈り申し上げます
参考:
産経新聞【草津白根山噴火】
火山灰や噴石など約4万トン 気象庁、山ごとの警報も検討
御嶽山噴火手記|通常の登山の装備では太刀打ちできないのか
生還した女性の記事を見ると、通常の登山装備では役に立たないことがよくわかります。
時速100kmで飛んでくる噴石に耐えるような装備は、モータースポーツの世界の装備等でなければ耐えるのは難しいです。
それでも、むき出しになっていないリュックなどを背負っている背中はある程度ガードできているので、ないよりはましのようです。
なるべく体をガードできるようなものが必要だということがわかりますね。
それでも、あまりかけ離れているようなもの(ザックを前後2つ持っていくとか・・)で、その他のリスクが高まってしまうような装備まではいらないと思います。
あくまで、噴火だけに備えるものではなく、持っていく装備をよく確認して、噴石が飛んできたときに、どう使うかを考えた方がいいと思います。
御嶽山噴火手記|噴火に対する装備
生還した女性の手記から、どの装備が大切か見て取れます。
自分も知識も交えて、下記のように整理してみました。
1 ヘルメット
手記ではこれが必要だ・・とは書いていないですが、個人的に必要だなと思った装備です。
最近では、ヘルメットを貸し出しるようなところもあって、だんだんとヘルメットが浸透してきたと思いますが、まだまだヘルメット装着の理解は少ないです
(参考:富士山 登山者にヘルメット貸し出し 7月1日山開き~ 山梨・富士吉田市
山スキーの世界でも、自分の周りの方たちはほぼヘルメットを装備していますが、まだ昔の名残(なごり)で、ヘルメットを付けないで滑っている方もいます
普通の縦走であっても、噴火を見越して(みこして)ではなく、通常の安全装備として、ヘルメットを持参したいです
山は天気の良いときばかりではありません
風が強くなれば、枯れ木もおちてきますし、雨が降れば、なんでもないところでも、滑って滑落してしまうところが出てくるかもしれません
そして、噴火
最近のヘルメットはとても軽量のものが出ていますので、通常装備として持っておきたいです
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2 ヘッドライト
これも通常の登山でも必須の装備なのであえて細かくは言いませんが、暗いところを歩くときも、傷病者の手当をするときも、小屋の中で作業をするときも必要です。
3 タオル・てぬぐい
これも持っている方は多いと思います。
噴煙を吸い込まないようにする効果や、火山性のガスが発生している場合に呼吸を確保することに使用します。
火山性のガスについては、少し昔になりますが、1998年(平成10)の9月19日 法政大学市ケ谷キャンパス開かれた「火山ガスシンポジウム」(科学技術庁主催、日本山岳会後援)の資料に緊急的に、下記のような方法とることを推奨しています。
「濡れタオルで鼻や口を覆うこと、低いほどガス濃度が高くなっているので決して身を低くしないこと、大きな息を吸わないことを原則として、後は現場の状況に応じて対処せざるを得ない」
参考にしてください。
4 ダウン
噴火の時も、通常の遭難のときも、暖かい防寒着は必要です。
生還した女性も、最後の最後はダウンジャケットに助けられているようですので、少しくらいかさばったり、重さを気にしたりしないで、ザックの端っこに入れておくと、命をつなぎとめることができると思います。
5 ツェルト・エマジェンシーシート
これはダウンと同じ、保温の効果を生みます。
ツェルトはとても軽い緊急用のタープのようなものです。
ただ上から被って(かぶって)座っているだけで、風を遮る(さえぎる)効果もありますし、袋状になっているので、下に敷物をすれば、入って寝ることもできます。
また、エマージェンシーシートも保温においては抜群の効果を発揮しますので、面倒くさがらずに持っていきたいですね。
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御嶽山噴火手記|まとめ
噴火に対する装備は、ヘルメットを除いて、通常使われている装備を中心にお話ししました。
ヘルメットもだんだんと、縦走のような登山形態にも浸透しつつあるので、通常装備に入ることは時間の問題だと思います。
生還された女性の手記のように、噴石で致命的なケガを負うのは、ある程度、運によって決定してしまいます。
しかし、その後の生きて帰ってくるための装備は、自分でも十分対策を練ることができます。
最近はいろいろな事故が起こっているためか、昔より登山の自由度が少なくなってきたかもしれません。
しかし、我々40代登山をしている社会人は、他人に迷惑をかけないことが求められている年代でもあります。
安全を確保するために、いろいろシミュレーションをするのは面倒だと思うかもしれませんが、それも登山の楽しみとして、楽しく安全を考えてみましょう。
参考文献