【5分で5,000円】山岳救助ヘリの有料化で登山の遭難事故を減らす

ヘリコプター 登山の遭難対策・天気
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防災ヘリを埼玉県が「有料化」

ついに自治体のヘリ救助が有料になりました
 
 

埼玉県では山岳での遭難事故が去年は63件で、この10年で1.5倍に増加していて、十分な準備をせずに遭難する事故を抑止するため、山で遭難した人たちを県の防災ヘリコプターで救助した場合、燃料費に相当する手数料を徴収する制度を今月1日から始めました。

出典:NHKニュース
( https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180104/k10011279041000.html )
 
 

記事によると、埼玉県はここ10年で遭難事故が1.5倍になったということ

また、埼玉では以前、救助側が事故に遭うような事故もあって、検討がすすんだようです
(良く知られている事故は救助ヘリコプターの墜落事故があります)

==▼目次==

  1. H22沢登りの事故で分かったこと|埼玉県でヘリ有料化
  2. 5分という時間の区切りも「抑止効果に」
  3. ヘリコプター有料化の対象地域はまだ限定的
  4. 民間のヘリコプターレスキュー
  5. まとめ
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H22沢登りの事故で分かったこと|埼玉県でヘリ有料化

 
 

産経新聞より( 2017.7.30 )
役所の防災ヘリ有料化は是か非か? 無謀な登山の歯止めになるのか

毎日新聞(2018.1.19)
山岳遭難で防災ヘリの救助費請求 5万5000円

 
 

前々からいろいろ議論があったヘリの有料化ですが、平成22年の秩父市で起こったヘリコプターが墜落して、乗組員他5名が無くなったことが議論を推進する契機になったようです。

防災ヘリ有料化の目的は「無謀登山」を減らすため・・と書いてありますが、自分の考えは、減るかもしれませんが、それはあまり多くはなく限定的ではないかと考えます。
 
 

平成22年の「ヘリ墜落事故」

有料化の契機となった事故について、事故を起こしたヘリコプターが出動した理由は、沢登りで女性が滝つぼに落ちてしまったことが第一の理由です。

自分も沢登りをしているので、他人事ではありません。

その沢登りの状況は詳しくわかりませんが、それを救助に向うために出動してこのような惨事になってしまったようです。

問題はその後。

日テレの社員が、それを取材に行って2人が水死しています。

ニュースなどを見ると、日テレの亡くなった方は、明らかに知識が乏しく沢を過小評価して事故にあったような報道です。

今回の防災ヘリ有料化の目的、「無謀な登山の歯止め」というのは、沢登りだけではなく、この日テレの社員の方の事故も含めたことだと思われます。

自分としては、沢登りを「無謀な登山」と言われるのはなんとなく嫌な気分ですが、一般の方からみれば、沢登りも無謀な登山に見えるでしょう。

ただの遊びなのに、お1人亡くなっているからです。

そういう現実を見ると、一般の方からみれば、無謀と言われれば、うーん、無謀なのでしょうか。
 
 

ヘリ有料の推進論者

有料化の(案)の作成に関わった自民党県議団の田村琢実政調会長のお話。

「危険が潜む山に挑むのは自己責任の側面が大きい。遭難して救助されたのなら受益者負担が基本だ」と指摘。登山者の中には、立ち入り禁止区域に入って事故に遭うなど、モラルやマナーが問われるケースもあるといい、「有料化によって無謀な登山の抑止につながる」

あくまで、「へりを呼んだらお金を払う」という資本主義の原則理論を出していますね。

この記事を見ると、有料化で「無謀登山が無くなる」という考え方は、ついでの理由のように見えます。

お金の徴収業務は素直に払ってくれればいいですが、一度支払を反対されると大変で、請求する役所も途中で請求をとめるわけにもいかず、いつまでも未請求案件として残りそうです。

しかし原則論としては間違っていないので、いろいろな反対を押し切って、改正条例が挙がったのだと思います。
 
 

防災ヘリ有料の反対意見

反論や課題もあるようです。
 
 

1 お客として来てもらう登山者に対し、登山道の整備をせずに、ヘリの有料を先にするのはどうか。

2 払ってもらえない方への対応事務は膨大。

3 県の境界での救出をする場合、埼玉県なら有料、他県なら無料となり、混乱が起きる。

4 救助要請も県のヘリなら有料で、警察のヘリなら無料となり混乱する。
 
 

今回は、賛否はありますが、とりあえず実行、ということで施行するようです。

少なくともいくつか課題はありますが、ある程度の解決法を用意していると思います。

そうでなければ、完全に見切り発車と言われてしまいますから。
 
 

これだけでは無謀登山の歯止めにはならないと思う

今回の有料ヘリの一番の目的は、「無謀登山の減少」ということでした。

これは個人的に難しいのかな、と思います。

その理由を説明します。

まず、今回の契機となった事件を見てみると、死亡例は3つのパターンに簡単に分けられます。
 
 

1つ目は、沢登りのパーティ

2つ目は、防災ヘリ

3つ目は、日テレ社員です。
 

これらを1つ1つ確認してみます。
 
 

1 沢登りのパーティ

まずは沢登りのパーティを見てみます。

詳細の状況はわかりませんが、運悪く滝つぼにおちて、水死されてしまったようです。

原因は、当事者の力量不足、パーティの力量不足、偶然のアクシデント3つが推測されます。

大人数のパーティということでしたので、届けやバックアップは、それなりにしっかりしていたと思われます。

これが、単独の縦走や釣り、山菜目的であれば、無届けで、そして誰にも知らせず・・ということ考えられますが、沢登りの場合は、危険の度合が大きいので、ある程度安全を確保していたと推測されます。

その安全確保の中には遭難に対する保険の加入も含まれているはずです。

今は、いろいろな山岳保険があって、とても入りやすくなっています。

よって、通常の沢登りパーティならば、事故があればまず自分達でなんとかしようとします。
そして、それが難しい状況ならば、お金がかかろうが防災ヘリの要請を躊躇(ちゅうちょ)なくするはずです。

また、山行の計画段階で、ヘリが有料だからといって中止するような計画はありません。

自分の場合で恐縮ですが、沢登りの計画は、「自分達の力量でなんとかできる計画」に安全率(×0.8)を掛けたくらいのレベルを設定します。

そうしないと、最大のレベルが必要な計画で、不測の事態が起きたときに対応できないと考えるからです。

そして、何度も言いますが、その計画を作るにあたって、ヘリが有料だから計画をやめる・・という選択肢はありません。

よって、ヘリを有料化したからといって、沢登りをする方は減らないと思います。

 

2 防災ヘリコプターの場合

記事では、防災ヘリコプターが墜落した詳しい原因はありませんでした。

ヘリコプター事故の原因がなんであれ、有料化により、無謀登山が少なくなれば、出動要請の頻度も少なくなり、このような痛ましい事故は減ることは間違いないと思います。

ということは、有料化によって、救助側の事故は格段に減る可能性が高いというわけです。

日テレ社員の場合

この日テレ社員のような山の入り方の場合、ヘリの有料化だけでは、事故は無くならないと思います。

ニュースなどを見ると、日テレ社員の方は、時間を気にしておられたようです。

是が非でも現場の映像が必要で、なんとかしたい。

こう思っている方は、ヘリの有料化だけでは止める事はできないはずです。

沢の知識も少なく、装備も充実しているとはいえない様子です。

自分的にこれはちょっと無謀だと思いますし、このような考えの方で山に入る人は、有料化によって「山に入らないようになる」=「事故が減る」と考えるのは、少し難しいと思います。

5分という時間の区切りも「抑止効果に」

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以前は1時間という区切りで検討をされていたようですが、今回の施行(しこう)にあたっては「分」という区切りを使っています

区切った理由は、抑止効果があるからだと思います

個人的にですが、5万円円と6万円を感覚的にみるとそう違いはないように見えます

ですが、

     
     

  • 1時間:5万円
  •  5分:5千円

  •  
     

こういう感じで比べてみると、5分5千円が「高額」と思う人が多いのではないでしょうか

実際は5万円と6万円の1万円の差しかないのですが、もっと大きな差があるように感じられると思います

これも安易に準備不足のまま山に入らないようにという抑止につながっていると思います
 
 

ヘリコプター有料化の対象地域はまだ限定的

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埼玉県も闇雲(やみくも)に救助ヘリを有料にしたわけではないようです

地域を限定し、そこの場所で救助が行われた場合のみ有料なります

有料の対象山域は下記のとおり
 
 

  • 埼玉県小鹿野町にある二子山の山頂から半径1キロ以内
  • 埼玉県日高市の日和田山にある男岩と呼ばれる岩場の半径100メートル以内
  • 埼玉県小鹿野町と秩父市にまたがる両神山の山頂から半径3キロ以内
  • 埼玉県秩父市と、山梨県山梨市、長野県川上村にまたがる甲武信ヶ岳の山頂から半径5キロ以内の埼玉県側
  • 埼玉県秩父市と山梨県甲州市にまたがる笠取山の山頂から半径5キロ以内の埼玉県側
  • 埼玉県秩父市と東京・奥多摩町、山梨県丹波山村にまたがる雲取山の山頂から半径3キロ以内の埼玉県側です。
  •  
     

    現在、外国人客の増加などの理由で、国の施策(せさく)として登山を奨励(しょうれい)しています

    しかし、それをトーンダウンさせるようなやり方をしなければならなかったのは、増える遭難事故者に対する苦肉の策のようです
     
     

    民間のヘリコプターレスキュー

    全国発の救助ヘリの有料化が施行されたことに対して、群馬県や山梨県などから問い合わせがあったそうです

    全国的に事故が増えている状況もあって、今後は全国にヘリ有料化が波及(はきゅう)しそうな気がします

    公(おおやけ)の機関のヘリコプターレスキューを書きましたが、民間の場合はどうでしょうか

    山岳保険の「jRo」のホームページをみると

    ちなみに東邦航空の場合、捜索・救助の料金は1時間あたり46万5000円。
    遭難現場がはっきりわかっているのなら、救助は1時間前後で完了するの で、救助費用は50~80万円ぐらいですむ。
    しかし、行方不明などで広域的に捜索しなければならないときは時間もかかるので、費用もかさんでしまう。

    出典:日本山岳救助機構合同会社

    と、5分で5,000円どころではない金額を請求されてしまいます

    ただ、どうしてもほかにヘリコプターがない場合は、命が優先されるので、飛ぶこともあるようですね

    ほかにもココヘリと言うサービスがあります

    これはレスキューではありませんが、遭難者が持っている「探知機」をヘリを使って広範囲調べるサービスで、位置を確認するには有効なサービスです

    また、コスパも高いので、ヘリコプターレスキューとあわせると、レスキューが安全にすばやくできます

    最近はこういう最新の探知機やレスキューサービスが多くなってきていますので、参考にしてください

    まとめ

    平成22年3つの死亡例から、有料化で登山事故が増えるということはありませんが、劇的に減る事もないと考えます。

    反対意見として、記事には、へりの有料化で、遭難しかけの人が有料化に躊躇してへり要請をしない場合が考えらるということ。

    そして、それが一番怖いという意見もありました。

    へり有料化の一番のメリットは、登山計画の段階で無謀登山を諦めてもらうことです。

    しかし、今回はどうでしょうか。

    個人的には、遭難しようとして遭難する人は少ないと思うので、今回のような有料化では、
     
     

    ・要請はあまり少なくならない。

    ・徴収の事務が増えて現場が大変
     
     

    ということが予想されます。

    これを「おしらせ」として、平均救助時間などを加味して、半日くらい飛んでいるのであれば、5時間×6万円=30万円として、

    「ヘリ要請 1回あたり平均30万円!」 

    などとポスターに入れれば、それなりの抑止力はありそうです。

    今回の有料化の考えは、それなりに現状を打開するための、一歩進んだ考え方であると思うので、なるべくなら自分の予想に反して、うまくいくといいな、と思います。

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