服部文祥氏とは「登山家・モンベルの社員・作家」
服部文祥氏とは、沢登りと渓流釣りと狩猟が得意で、自信家風の挑戦的な口調が有名な「登山家・作家・編集者」で「モンベルの社員(雑誌「岳人」の編集者)」をやってます
ここではボクが魅力を感じいろいろマネをしてきた「服部文祥」氏についてまとめました
服部文祥氏は「クレイジージャーニー」や滑落した「情熱大陸(NHK)」などの番組に出演していて、その変わった言動や行動から視聴率が高く有名になりました(情熱大陸で滑落はしましたが、服部文祥さんのクライミングの腕は一流で、冬の黒部アイスクライミングや危険なフリーソロ(ロープなしで登るスタイル)で危険な壁をいくつも登っています)
昔から注目しているボクからみると、ただの「ひとり登山が大好きな」愛すべきおやじさんという感じ
※アイキャッチ出典「サバイバル登山家」
(▼服部文祥さんの動画でボクが好きな一幕)
▼YouTubeタップで再生
(福島県の大山勝五さんと釣りの師匠丸山剛さんと釣りをするYouTubeです)
(https://youtu.be/HJj56lIv-mM)
でも性格が昔のガキ大将のような感じなので、ちょっとみんなが引くことを平気でやって「2ちゃんねる」からよく「批判」されています・・
(▼へ〇の皮を歯で引く文祥氏(これも引く・・))
(twitterより)
(https://pbs.twimg.com/media/DmydAd0U8AAgQNl?format=jpg&name=900×900)
ここでは服部氏渾身(こんしん)の本「サバイバル登山家」や、ボクが見てきたそのほかの本、記事を介して、挑戦的で批判の多い服部文祥さんをひもといてみます
[服部文祥氏]▼目次==
- 服部文祥さんとモンベルの関係
- [服部文祥氏]が滑落した「情熱大陸」
- 服部文祥氏が栗城史多氏を語る
- 服部文祥さんが野口健さんを語る
- [服部文祥氏]とクレイジージャーニー
- [服部文祥氏] 妻と家族(ちゃんと結婚してますよ)自宅とか場所とか
- [服部文祥氏]と「2ch」の関係
- 服部文祥氏の装備と知識
- 「登山家」服部文祥氏とボクの最初の出会い
- 「サイバイバル登山家」と「それ以外の本」を紹介
参考:ウィキペディア
(▼山登り入門はこちら)
初めての登山[登山入門一覧」

服部文祥さんとモンベルの関係
服部文祥氏は契約社員として登山雑誌「岳人」の「東京新聞出版局」に就職 その後「岳人」はモンベルに買収されて服部さんは「モンベル」の契約社員として働いています
見る限りは、出版の編集が主な仕事のようですが、「モンベルのアイコン的存在」になりつつあり、それなりに結構自由にやらせてもらっているようです(twitterをやるようになったのもその影響)
ただボクがいろいろみた限りはまだ契約社員のはず(1年契約更新)なので、それなりに気苦労はあるかもしれません
「モンベル」に編入するまえから服部さんは「モンベルマニア」だったと思います 沢登りというとモンベルが一番数がそろっているので、沢をやっている人は普通モンベルだらけになってしまうのでしょうがないですが、服部さんもほかの人と同じように帽子やシューズ、ザック(ゼロポイントとか)とかは昔から「ザ・モンベル」でした
(▼今もモンベル装備 昔とあまり変わってないです 帽子がキャップからハットになったくらいかな・・)
(https://twitter.com/hattoribunsho/status/1285024285371719680)
(https://pbs.twimg.com/media/EdVRzeXUwAM0j_V?format=jpg&name=small)
服部さんは「岳人」で昔から編集だけでなく執筆もやっていました
ただここまでページをさいた特集は初めてみるかもしれませんね
(▼ モンベル岳人の服部文祥特集)

偶然に「岳人」がモンベルに移譲されましたが、以前からぶんしょさんはモンベリストだったので、モンベルにしっくりよくなじんでる印象が強いです
[服部文祥氏]が滑落した「情熱大陸」
服部文祥氏が滑落したテレビ「情熱大陸」では、かなりの視聴率をとりました
NHKのこの番組で服部氏は「鹿を打って雄叫びを」上げたり、「30mのガケから滑落」して血みどろの大けがをしてしまいました
(▼テレビの感想の実況はコチラ)

視聴率はスゴかったようです
基本的に服部さんはソロスタイル(ひとりで山にいく)
K2(今のところ世界一難しい登山)を登ってから、徐々に確立してきた「サバイバル登山」というスタイルは、
登山とか山の中で電気製品やテント、燃料やガスストーブを持って行かず、おかずは現地調達で済ませる、現代においての服部さん独自(昔の人は普通にやっていたので、独自ではないかも・・)のスタイルです
この必要最小限の装備で、食材を現地調達しながら、山々を旅するスタイルは昔の人はみなやっていたことで、それを服部さんは真似をしているだけだと言っています
そんな、いつも身ひとつで山と格闘している登山家の服部文祥さんは、2010年10月31日放送のTBS「情熱大陸」で特集されて世間に衝撃を与えました
内容は・・・・・かなり衝撃的といわざるをえません
鹿を鉄砲で打って、そして「雄叫びをあげ」、最後にさばきます
NHK「情熱大陸」での滑落
そして岩場をフリー(ロープなどでのフォローも無い状態)で登っている途中で30mのガケから滑落します
幸い流血はありましたが、肋骨を折ったくらい(それもすごい)でしたが、助けも呼ばず、自力で下山しました(すでにおかしい)
アバラ折ったら普通自力で下山しませんが、テレビで使ってもらえなくなるかもしれないので、自力で下りたのかもしれません
落ちたときのいっしょにいたカメラマンはあの世界でNo1の登山賞 ピオレドール賞をとった「平出和也さん」
その平出和也さんのフォローがあったからいいようなものの、いなかったら死んでいたはずです
ボクにはとにかく無理です
雑誌「number」ではNHK番組「情熱大陸」で滝から転落した話がありました
(参考:https://number.bunshun.jp/articles/-/847650?page=4)
2010年の情熱大陸ですが、そのときの服部さんは、「カメラの前でサービスしよう」という気持ちがあったそうです それが滑落に直接つながったかどうかは不明ですが、そのときの様子を服部さんは「本当に死を意識したよね・・・」と言っていました
滑落直後は強気な発言をしていましたが、裏ではヒヤヒヤものだったというのがよくわかります
「滑落」して、頭が血だらけになり、あばらが3本おれました
放送事故のようなこの出来事は、普通に情熱大陸で放送され、大反響
反響の内容は、どちらかと言えば、アンチが多かったように思えます
登山初心者のかたはマネしないほうがいいですね(しないと思いますが)
似たようなことをやっている人は知っていますが、ここまで破天荒にやってはいませんというか多分やりません
「情熱大陸」史上、ここまで露骨に「本能むき出しな映像」はなかったのではないでしょうか
サバイバルをしている自分に陶酔しているようで、どちらにしろ、釣り雑誌で記事に書かれている服部さんと、この「情熱大陸」の服部さんは、子供がそのまま大人になった「登山家」だということは間違いないと思います
とにかく服部氏を詳しく知りたいならば、「サバイバル登山家」という本をおすすめします
服部氏の生い立ちから、サバイバル登山家になるまでが、詳しく書いてある本です
服部文祥氏は、わかるとおり、登山界でも、やや異端(いたん)
異端の理由は、その言動ですね
山に登っている人はたいてい心の奥底では、「自分スゲエ!」と思っていますが、服部氏の場合は特にそれが強くて、アンチテーゼな人も多いかもしれません
そして、その登山のスタイルも異形(原始的なスタイルを取り入れた登山)なので、苦手な人はいますね
例えば、Yahoo!の記事をみるとかなり強い反感を買っています
そこでは服部さんはただの「サバイバルごっこ」だ!と断定した書き方になっていて、「ドヤ顔が気にくわない」とか、「一方的に普通の登山をやっている人をこき下ろすのが気にくわない」とか言われています
確かに言動がとても挑戦的で、自分を隠そうとしないので、アンチが多くなるのは当然ですね
服部文祥氏が栗城史多氏を語る
服部文祥さんは、栗城史多くんのことを話すときちょっと厳しい言い方になってます
ここで手厳しい反感を買っている服部氏の言動、これは言っていることはわかるのですが、服部氏の言い方がちょっと悪いかもしれません
この千原ジュニアさんの番組で栗城くんを「3.5流」と言っています
(▼YouTube)
<服部文祥「栗城くんは登山家として3.5流」>
(https://www.youtube.com/embed/nF2s1Yyg4Gg)
栗城くんは今は鬼籍に入っていて、そういう人に対していろいろ意見はありますが、基本は服部さんの言うことがほぼ正しいです・・・でもボクの意見はもう少し複雑です
▽ボクの栗城君への思いはこちらです

服部文祥さんが野口健さんを語る
服部文祥氏は栗城くんだけでなく、世界のアルピニスト「野口健」さんを「マラソンでいうと市民ランナー」とか、「アルピニストを名乗るのはアルピニストに失礼だ」・・・などとまたこれが歯に衣着せぬ言葉で表現しています
これに対して「世の大人な人たち」は、柔らかい口調で「当時最年少のセブンサミッター(7大陸最高地点到達)の野口さんを何か勘違いしているのだろう」と思っているようですが、多分それは違うと思います(あくまでボクの意見)
ボクが直接「服部さん」から聞いたわけではありませんが、服部さんやボクの好きなアウトロー「宮城公博」さんとかに言わせると、
「人のお金でキラキラ登山してんなよ」
という感じなんだと思います(これはあくまでボクの意見)
服部さんや宮城さん達は「胸にスポンサー名を入れたウェア」を着て登るのが、あまりかっこよくないと思うひと達だと思われます(氏の友人や知人の「のら犬の青島」さんや「城志」さんなどの思想や、氏の今までの言動・行動をみるとそんな感じは間違いないと思います)
野口健さんのようにスポンサーを見つける企画力と熱意、そしてそれを行動に移す実行力で登山をするやり方もあって、その才能で現に難しい登山を成功させているので、そのやり方もアリといえばアリなやり方
ただ服部さんなどの人種から見ると、スポンサーに媚を売り、それで人気とお金を手に入れているように見える「野口健さん」が、単純に「キライ」なんだと思います
多分ただそれだけです
そんなこといいながら、自分もモンベルの社員になってしまってスポンサーのアイコン的存在になってしまいましたが、反骨精神がありすぎて(ガキ大将なので)そんな口調になってしまっただけなんだと思います
悪い人ではありません(あくまでボクの意見です)
以上です
服部文祥氏とクレイジージャーニー
「クレイジージャーニー」とは松本人志さんなどが出演する深夜番組(いまはやらせがあったらしくストップ状態)
名前のとおり、クレイジー(狂ってる)とまでいかなくても、それに近いようなひとが出演しています
服部文祥氏もその一人です
2015年1月2日のTBSの放送では、サバイバル登山の「食」の部分をあまねく披露(ひろう) 多分ご家庭の人たちはかなり引いてたと思います
そこで「カエルやキツネ」のおいしさを熱心に語り、「昆虫」は特に美味・・・といっていました
みんな引いていました(普通そうですよね・・)
トナカイも解体してました
トナカイの解体と聞くと、本「サバイバル登山家」の最初のページに、サバイバル登山を始めるキッカケになった、「フンザの肉屋」との出会いが思い出されます
※フンザはパキスタンの町
フンザであった肉やの男性は「肉を売る直前に牛を目の前で岩一つで殺して解体を始めます」
ここで、「生きるために殺すこと(イヤなこと)を他人にさせてはダメ」という、服部氏の根本の概念(がいねん)が書いてあります
この考え方は、生まれた時からの性格もあると思いますが、一番のキッカケはこのフンザでの出来事が発端(ほったん)のようです
そして、だんだんと「ズルはしたくない」という考えに行きつきます
それが発展して、「ズル(自分の課したルール)」をしないで山を旅する方法「サバイバル登山」に到達するわけです
ですが、通常一般の人には全く理解できない考えで、テレビに出ると、「クレイジー」ということになってしまいます
クレイジージャーニーで服部さんが見せたものは「やらせ」はまったくない、現場の真実で現代の裏側を見せたものでした
グレートジャーニー関連「服部文祥×関野吉晴「サバイバル登山、アーバンサバイバルと地球永住計画」
こちらはクレイジージャーニーではなく、本家「グレートジャーニー」に関するお話
服部文祥氏がインタビューなどでも話している「関野吉晴氏」との対談の動画を紹介します
▼YouTube
<服部文祥×関野吉晴「サバイバル登山、アーバンサバイバルと地球永住計画」>
(https://youtu.be/oTi1L2mkG8I)
関野さんもグレートジャーニーなどで出演しているサバイバルの大御所です
ここでは関野さんらが提唱する「地球永住計画」について服部さんと対談するのですが・・・ボクがみるかぎり、関野さんも服部さんも考えはあまり変わらないようですね
「楽しく地球でキャンプしていきたい!!」というのがまとめのような気がします
【本格山旅ドキュメンタリー】①服部文祥の楽園山旅 南アルプス編
(▼服部文祥さんがサバイバル登山の南アルプス編)
▼YouTubeタップで再生
(https://youtu.be/niULcAXAwoU)
48分にも及ぶ長い動画で、服部文祥氏のサバイバル登山の全てが分かる動画・・・・といいたいところですが、半分以上は普通の沢登りと同じような動画になってしまっています
それだけ沢登り自体がサバイバル登山と同義なんだとよくわかりますね
この動画で、サバイバルな部分というと、「ヘビ」をさばくところ・・・・くらいでしょうか
そのほかの「地図読み」「沢歩き」「イワナさばき」「焚き火」なんかは普通の沢登りでは常識の行為なので、それほど珍しくないといってしまうのは言い過ぎではないと思います
また服部文祥氏の愛犬「ナツ」も共演しています
服部文祥氏の奇抜な雰囲気を「ナツ」が和らげてくれているので、全体的に和気藹々の雰囲気の動画になっています
[服部文祥氏] 妻と家族(ちゃんと結婚してますよ)自宅とか場所とか
こんな服部氏でも結婚されていて家族がいます
服部氏の旧姓は「村田」です
「服部」という名字は奥さんの名字で、お名前は「服部小雪さん(すごくキュートな名前)」
(▼ぶんしょさんの奥さんというより普通の奥さんという感じ)

画像で見る限りは、とてもキレイな方で、こんな文祥氏ともいっしょになれる、「仏」のような人(に違いありません)
↓こちらのサイトでもお若いときの奥様の姿が見ることが可能です
→ちゅらぱん
(https://web.archive.org/web/20200220132801im_/http://chulapan.com/wp-content/uploads/2015/06/%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%83%88_062115_105943_AM.jpg)
何かの本に書いてありましたが、多分イラストレーターだったような・・(ちゃんとしたイラストレーターでした)
家族も多くて、長男との狩りを題材にした本もあります
(スポンサーリンク)
服部さんは、子供が大好きなようで、「サバイバル登山家」の中で「子供と遊ぶのは、登山より好きかもしれない」と書いています
このあたりは、狂気の服部さんでも、人間味があるように思えますね
文祥さんの自宅
服部文祥さんは、現在「自宅(本宅)」と「別荘」の二つの家があります
自宅は横浜の街中からちょっと離れたところにあります
2階建てのかなり古い家(築何十年かだったとどこかに書いてありました)
(▼詳しい家の写真とかは西牟田さんのコラムでどうぞ)

横浜でも中心部から離れているといっても、家の中でニワトリを買っていたり、狩猟で獲ったシカを解体したり、たい肥をつくったりしているので、ボクの実家とそう変わらない雰囲気がありました
家の周りをみると、さびれた柱や食べ物がつるしてあるような風景は、完全にボクの福島の実家と変わらない感じなので、とても懐かしい雰囲気でした
もうひとつの家、「別荘」として使っているのが、関東の近郊の「コフキ」といわれる村の家
年をとった現在は、ほとんどこの「コフキ(小蕗)」といわれる廃村に一人でいるみたいです
(▼コフキの家の風景 いるのは角幡さん)
— 服部文祥(公式) (@hattoribunsho) June 23, 2021
「コフキ」の家は一言でいうと、ボクが小さいころの農家そのもの
ボクの家も囲炉裏があり、井戸で水をくみ、夏は蚊帳(かや)、冬は練炭のコタツと練炭のあんかを使っていました、外にトイレがあり、夕方になると薪をくべるので懐かしい燃える匂いが印象的です
服部さんも服部さんの母の実家「山形」庄内の家の雰囲気が「コフキ」と同じと言っています
特に夕方の薪を燃やす匂いは今でも懐かしい思い出で、服部さんの気持ちがとてもよくわかります
最近はめっきり攻撃的な登山はやっていないようですが、twitterをみるとそれでも普通でない登山をやっているみたいです
(※コフキの家を雑誌「Number」で服部文祥さんが「山はお金がかからない」という表現を使って説明しています、でも都会の人が遊びとして見るとそう見える訳で、実際ボクの実家のようにそんな生活を長年してみると、いろいろ面倒になってくることもあります そしてお金をたくさん使いたくなるのが普通です)
[服部文祥氏]と「2ch」の関係
服部氏とオンラインの掲示板「2ch(2ちゃんねる)」は、関係ないようにみえますが、意外に関係があります
こちらの「世界の片隅で無駄口をたたく」さんのサイトをみると
「これまた2ちゃんに叩かれるな~」
もはや嬉しそうですらある
と言うように、結構服部氏は2チャンネルを見ているようで、そして、意外と気にしているようにも見えます(見えないかもしれませんが・・)
その言動や行動を考えると、「2ちゃんねる」でいじられやすいのは仕方がないですね 服部さんも楽しそうなのでいいですけどね・・・
服部文祥氏の装備と知識
いろいろ変なことも書きましたが、「サバイバル登山家」というこの本は、とにかく楽しくて、自分の「バイブル」に近い本になってます(沢や 宮城公博氏の「外道クライマー」もバイブル)
ハウツー本ではないですが、読み物として参考になる要素はたくさんあります
また服部氏独自の「食べ物リスト」や、「持ち物のヒント」があり、登山装備の軽量化や、楽しみ方を考えている人には特におすすめ
そして、登山初心者でも十分楽しいです
血沸き肉躍る内容が、ワクワク感を次々繰り出してきますので、一読してほしいですね
また、この本では、「道具の楽しい使い方」のようなハウツーに近い内容も書いてあって、読者を飽き(あき)させません
自分はアウトドアが好きで、登山だけでなく、キャンプなどの道具類についても見るのも使うのも大好き
自分が道具を買う時にまず考えることは、「楽をすること」
それは「軽量化」が多いですが、靴は、高価な物ほど「グリップ」や「耐久性」が高くて、それを使うと、登山が楽になるので、すぐ買っていまいます
それが、この本で道具についての考え方が少し変わりました
この本には、道具をプラスしていくのではなく、マイナスしていくことも大切で、マイナスをしていくことで、登山がより美しくなっていくということが、服部氏の主張の一つ
見るとなんとなくわかってもらえると思います
いま紹介している 「サバイバル登山家 」という本の主人公、かつ作者の 服部文祥氏 は、道具をよりシンプルにし、自分の身体や知識をきたえることで、より美しい登山スタイルを突き詰めて提案しています
表題にある「サバイバル登山」とは何かというと、食料や道具を現地で調達し、装備や食料を極力減らしシンプルにする登山のこと
釣りや狩猟、山菜などの採取で食料を補い、また道具も現地にある木や草などを使いながら、その分持っていく道具を削っていくことで山の旅をするスタイルです
服部氏は「岳人」という雑誌の編集の仕事をしながら登山活動をして、ときどき先鋭的で挑戦的な記事を書いていることでも有名でした
サバイバル登山は、先ほどのヤフー知恵袋の意見のように全部理想どおりに実行できている訳ではありません
文明の利器シュラフもあるし、服だってそれなりのハイエンドの衣服を使っているので、厳密に言えば、「ズルしっぱなし」です
それでも、ちょっとずつ「ズル」な部分を削っていって、服部氏にしかできない「サバイバルごっこ」をしています
そんなスタイルは、服部氏にしかできない・・というか、完全に同じようなスタイルは、自分はやりたくありませんね
これを楽しくやれているのが、服部氏のすごいところです
自分が服部氏のことを最初に知ったのは「渓流」という釣りの雑誌でした
服部氏はまだ毛ばり釣りを始めたばかりのようで、書いてある内容も「初心者の視点」で書いてあり、いつもよりは謙虚な書き方だったと思います
栗城氏を「3.5流」と言っている動画では、服部氏の釣りのうまさを言っていますが、最初釣りは「ヘタッピ」でした(みんなそうですが・・・)
その後、渓流釣りのベテランたちに教えをもらって、徐々に釣りのレベルも上がっていきます
「サバイバル登山」は山菜もそうですが、たんぱく源として、渓流魚(イワナ)を採ることが不可欠
このイワナが採れないと、食糧計画が成り立たないので、釣りがうまくなることは重要な要素
自らのクライミング技術と、山菜の知識、釣りの技術を合わせて、服部氏は「サバイバル登山」スタイルを作ります
そして、そのスタイルで日高や北アルプスなどを踏破(とうは)しており、その確立したスタイルは現在、服部氏の代名詞となっています
最近は、なるべく自然に対してプレッシャーをかけず、自己完結させる登山スタイル(食料も道具もトイレもすべて持参し、そしてすべて山に残さず持って帰る考え)が主流になっています
それに対して真逆(まぎゃく)とまでは言いませんが、違った形の登山スタイルの提案をこの本でしています
服部さんはオンラインで、山道具のこだわりについて語っています
登山書初心者の方でも勉強になることが多くありますので、参考にするといいと思います
サバイバル登山では、必要最小限の装備は持っていくものの、全くゼロではありません
その中でも 特に重要なものは4つあると言っています
ひとつひとつ見てみます
< 鍋 >
第一に服部さんが重要と挙げた装備は、意表をつく「鍋」でした
ランボーのシルベスタースタローンも似たようなことを言っていますが、一般的に山での装備でよく言われるのは、まずはナイフと言われています
現に丈夫なナイフがあれば、山で必要なものはある程度つくれます
山での軽量化で重要なファクターの一つは、その道具ひとつで、いろいろな使い方できるものを持っていくというものです
そういう意味でナイフは理にかなっているのですが、服部さんはあえて 「鍋」(コッヘル) を第一の装備に挙げています
確かにナイフで鍋は簡単には作れません
サバイバル登山では、料理は焚火を使用することが多いようです
おかずにイワナをそえるとしても米を主食と考えると、煮炊きをする鍋は必須と言えるでしょう
特に、ツルひも がついている鍋(昔はビリーカンというものがありました)は必須で、上から吊って火加減を調整するためのもので、焚火には欠かせません
最近のコッヘルにはなかなかこの ツルひも がついているものがなかったのですが、最近ついているものも出てきました
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< 足回り >
服部さんの記事に「グレートジャーニー」で有名な「関野吉晴さん」について書かれていました
その記事の内容は
関野さんいわく、「アマゾンの原住民のやっていることはたいてい頑張ればマネできるが、裸足(はだし)で生活したり狩猟をしたりするのだけはマネができなかった」というもの
確かに足回りがなければ、今の現代人の足裏では山から下りてくることが難しいと思います
クライミングや、川の中を進むにしても、足回りは重要で、通常一般的な縦走などの登山においても、まず登山靴を重要視しているのもうなずけます
服部さんは最近の山行では、モンベルのサワーシューズを使用しているとかいてありました
サワーシューズとは、横文字ですが、服部さんがはまっている渓流釣りや、沢登りでは「沢タビ」や「沢靴」といって、通常とは別の特殊な靴を使用しています
それは足裏がフェルトになっていて、コケなどでも滑らないようにするものです
最近は、滑らないゴム底シューズも流行ってきているので、バリエーションに広がりがでてきましたが、コケに対して滑らないことを考えると、フェルト靴がやはり適しているでしょう
(▼沢登りの靴 モンベルサワークライマー)
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(▼沢登りの靴 サワーシューズ)
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< 釣り竿 >
登山には異質な部類の道具ですが、服部さんは4大道具のうちの1つと数えています
服部さんがオンラインで装備の記事を書いたときは、まだダイワの「燕翔」という4.1mのサオを使っていました
実はボクも持っていますが、現在は廃盤になっており、ダイワの「エキスパートテンカラ」というサオが変わって登場しています
テンカラのサオは胴調子と言って、サオの真ん中くらいから曲がる、独特なサオです
通常のエサ釣りは先調子といって、サオの先から曲がっていきますが、テンカラのように、糸の重みで毛バリを飛ばすには、胴調子が適しているので、区別されています
また服部さんのように、雪国の大きな沢を釣りの対象にしているならば、長い竿(4mを超えるサオ)が有利ですが、岸から木が覆いかぶさっているような場所では、やはり短いサオが有利です
木が覆いかぶさっているところでは3m~3.6m程度のサオが有利で、広い本流のようなところでは3.9m~4.6mくらいのサオが有利です
服部さんは、雑誌などで有名なテンカラ師、瀬畑雄三さんを師としているようですので、師と同じく長いサオを使用しています
上手になれば、長くても短くてもそれなりに使うことができるようですが、初心者は3.3m~3.6mくらいのサオがちょうどよいと思います
しかし、初心者にテンカラは少しハードルが高く、教えてもらう先生がいなければ1匹釣るまでには時間がほしいでしょう
1匹釣ってしまえば、その成功体験から、どんどん釣れるようになると思います
現にボクには教えてくれる先生がいなかったので、1匹釣るまでにまるまる1年かかりました
エキスパートテンカラ45(こちらは長いので上級者用扱いづらいです)
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エキスパートテンカラ33(こちらが短いのでおすすめです)
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< ナイフ >
最後にようやくナイフが出てきました
服部さんは特にこれ、というナイフは使用していません
ここでも、師、瀬畑雄三さんの教えを忠実に守っています
服部さんがここで使用をおすすめしているのは、「小さなナイフ」と「ノコギリ」の2つです
「ノコギリ」は、焚火の燃料の木を切るために主に使います
雨や雪が降ってきた場合や、誤って滝つぼに落ちてしまったあとに、暖をとるためにはとても必要な装備となります
通常山にある、生きている生木は、なかなか燃えてくれません
そこで、枯れている木をすぐ燃えるように切断してから火をつけます
ノコギリがないと焚火ができないわけではないですが、かなりの苦労をすることになると思います
また、寝床を作るために、草や細い邪魔になる木を切るためにも重要になります
服部さんの山旅は焚火がないと成立しないため、軽くて丈夫なノコギリを特に重要な装備としています
「小さなナイフ」は魚や山菜をさばいたり、切ったりすることに使います
山で採った食材を料理し、かつ重量もかさばらないように、あまり大きなナイフは持っていきません
服部さんが、ロシア極東でサバイバルをしたときに、現地のかたも同じように、ノコギリとナイフで猟をしていたようです
このくらいのレベルになると、装備はだんだんと似てくるようです
(▼シルキーポケットボーイ)
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シルキーのノコギリは、文祥さんの小説やエッセイなどでときどき出てきて絶賛されています
(▼オピネルナイフ #9)
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「登山家」服部文祥氏とボクの最初の出会い
ボクが服部さんと出会ったのは、月刊つり人の別冊「渓流」という雑誌でみたのが最初でした
(雑誌 渓流 「雨がやんだら釣りに行こう」)
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そのとき服部さんは渓流釣りを始めたばかりで、ボクも登山の全くの初心者のころでした
服部さんは雑誌の中で、渓流釣りに関していろいろ思考錯誤していたことを覚えています
最初の印象は、とりあえず 「怖い人」、というイメージでした
別の雑誌の紹介などでは、「挑発的な記事を書く少し変わった人」という内容で紹介されていましたし、
「渓流」の記事でも、かなり先鋭的で、挑戦的な記事を書いていたこともあって、怖い人ということが先行していました
しかし、釣りを習い始めていたときの記事はそのようなイメージは全くなく、むしろとても滑稽で、そしてとても人間臭い内容でかかれていたので、とても新鮮でした
服部文祥さんを一言で紹介するのは難しいですが、あえて言うなら、「登山家」でしょう
2010年10月31日に放送されたTBSの「情熱大陸」などでは、サバイバルをしながら、狩猟をしている土臭い狩猟家のイメージがありました
しかし、実は、数々の記録をもっている登山家で、世界最難関のひとつとされている世界第2位の高峰K2(8611m)に登頂し、K2のサミッターとして不動の地位を築いていたトップクラスの登山家、ということを「情熱大陸」を見ただけでは、なかなかわからないと思います
情熱大陸の内容は2ちゃんねるではグリーンベレーごっこやマタギごっこと、かなり突っ込んだことを言われていましたが、そういう生き方でここまで来てしまっているので、今後も変わることはないと思います
[服部文祥氏]と渓流釣り
(▼ボクが愛した雑誌「渓流」)
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自ら名づけた「サバイバル登山」に魅了されるかたわら、ふだんの服部さんは横浜の住宅地に住み、東京に通う勤め人です
その言動や山行からはなかなか想像できないと思いますが、山岳雑誌の「岳人」という雑誌の編集者という肩書を持っています(以前は東京新聞出版局だったが、今はモンベルの子会社から発行)
著書「サバイバル登山」ではその会社に勤めながら、渓流釣りを始めた経緯が詳しく載っています
釣りを始めた当初はかなり苦労の連続だったようで、そのことが滑稽に著書に書かれています
師、瀬畑雄三さんと一緒に山に行くようになってからは、めきめきちからをつけてきて、いまでは、かなりの腕前になっています
ボクもそうでしたが、自分流でやってしまうよりは、上手な人の動きを見るのは、上達にはとても大切なことなのでしょう
現在は、渓流釣りばかりでなく、散弾銃による狩猟や、身近なところでの採取(ザリガニやカメ)なども手広く楽しく紹介しており、山遊びのアイコン的な存在になりつつあるようです
[服部文祥氏]と登山
服部さんと言えば、自分でも自称しているとおり「登山家」です
いまのメディアに出ている様子では、想像が難しいですが、世界で最難関であるヒマラヤK2の登頂者である、K2サミッターの称号を持っています
著書「サバイバル登山」では、登山界の見えない階級制度に苦しんだ時期もあって、それなりの苦労をして現在に至っているようですが、やはりその内容は普通の人ではできないような内容になっています
現在勤めている「岳人」に入ってから、富山県の黒部渓谷に魅入られて、冬の黒部川の横断を毎年のように行っていました
厳冬期の黒部川横断は、よく日本の登山で一番困難な登山と言われていますが、それを毎年のようにおこなっていたのは、登山家として、とても高いレベルにいることを意味しています
現在では、そのような先鋭的な登山を行っているような記事はあまりみられませんが、服部さんの言葉には、そのような経験をもとにした内容が込められているのです
「サイバイバル登山家」と「それ以外の本」を紹介
本のタイトルになっている「サバイバル登山」というのは、持っていく食物を最小限に抑え、現地の「山の幸(魚や山菜)」を調達しながら登山をする「スタイル」のこと
メリットは食糧系がほぼいらないので(米などはほしい)、かなりの軽量化で、長いトレイルを旅することができること
デメリットは、知識と経験、技術が必要ということです
服部氏は、山とフェアに対決する「美しい登山」を探求し、そして行きついたスタイルが「サバイバル登山」
登山と渓流釣りが好きな人には、ぜひ読んでほしい本です
表紙の写真は、イワナ(渓流の魚)の皮を口で裂いているショッキングな写真
手に取るのがためらわれると思いますが、アウトドアが好きなかたであれば、服部氏のその自由な考え方や行動は、理解してもらえると思います・・・・といいますか、本を見たほうが人生、豊かになると思います
最近では、メディアの露出(ろしゅつ)も多い服部氏で、イベントも多く開催しています
この本を見てからイベントに行くと、より身近に感じて、イベントもとても楽しくなると思います
音楽のライブに行く前に、事前にCDなどを買い込んで、事前に勉強すると、ライブが2倍にも3倍にも楽しく感じるアレです
特に渓流釣りが好きな人には楽しい内容
自分は渓流釣りが好きなので、はまってしまいまって、まだ抜け出せません
「サバイバル登山家」
服部文祥さんの最初の著書で、サバイバル登山に目覚めた経緯が詳しく書いてあります
渓流釣り始めたてのころの苦労も書かれいて、初心者のかたも楽しく見ることができます
「サバイバル登山入門」
服部文祥さんの初めてのハウツー本です
「サバイバル登山家」はどちらかと言えば、自分の生き方を中心に書いていましたが、この本ではサバイバル登山とはどのようにするのか、詳しくかいてあります
テントや電池を使う道具を一切はぶき、米と調味料だけ持って、シカを撃ち、イワナを釣って、山旅を続けていく内容 写真とイラストでおもしろおかしくサバイバル登山のノウハウをみることができます
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「人はズルなしで生きられるのか」
日本海から上高地まで200kmの山々を単独で縦断する記録イワナや山菜、ヘビ、カエルなど焚火で調理し、山や谷を越えていくノンフィクションの文庫本です
「サバイバル登山」スタイルの苦労と面白さがよくわかる本です
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ツンドラ・サバイバル
「情熱大陸」での滑落事故のあとの著書です滑落場所への再訪と再起から、より深い狩猟登山をめざして晩秋の北海道で、隕石湖に生息する新種の岩魚を求めて、1ヵ月におよぶロシア極東北極圏縦断の旅のノンフィクションです
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獲物山
狩猟に関係する山行や、服部さんの思想など写真とともに収録した本です
アウトドア誌「Fielder(フィールダー)」にて掲載してきたサバイバル登山や狩猟記録を編集したものや、書下ろしも多数あります
これをみると服部さんの考えの基礎がわかるような本になっています
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「獲物山(えものやま)」というタイトルがおどろおどろしい雰囲気をかもし出していますね
狩猟サバイバル
今度は、サオを散弾銃にかえ、厳冬期の南アルプスにサバイバル登山で向かった本です
狩猟の練習を重ね、最後単独で山へ向かいます
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