トレッキングポールの軽量タイプが現在どのくらいまで軽量なのか調べてみました

トレッキングポール 軽量|トレッキングポール最軽量を調べてみた
トレッキングポールの軽量レベルは、毎年ちょっとずつ進化してきていて、Amazonや楽天でトレッキングポールを見てみると、いまは「1本150g~190g」くらいが軽量・最軽量と言われているレベルで、登山の初心者でも使えるトレッキングポール最軽量レベルのようです
▼150gのトレッキングポール 価格も5000円程度でコスパがよいです
各メーカーのサイズが分かれているポール(100㎝タイプや120㎝タイプなど)の場合、説明に書いてある重量表示は一応中央値(だいたい真ん中のサイズの重さ)が基本に表示されています。 そのために小さいサイズでは表示の重さより軽いアイテムもあったり、逆に大きなサイズではそれよりも重いウェイトのときもあるので注意ください
また、「150gくらいのトレッキングポール」の伸縮機構は、ほとんどが回してロックするタイプで、レバーでロックするタイプになると、「1本190g」くらいになることが多いです
▼こちらはカリマーの軽量ポール1本190g レバーロックを使っているためか150gよりはちょい重め
個人的にはレバーでロックするタイプがおすすめ。 デメリットは見た目がごつく、スクリュータイプよりちょっと重いポールが多いですが、ロックが目で確認できるのでロックし忘れることがなく、締めすぎでロックが外れないというエラーが少ないです
世界最軽量のトレッキングポールというと?
「世界最軽量のトレッキングポール」を調べてみます
ACECamp(エースキャンプ社)のカーボンファイバートレッキングポール
最軽量のポールを検索してみると、「ACECamp(エースキャンプ社)のカーボンファイバートレッキングポール」が「世界最軽量」と書いてありました
こちらをみると「1本100g」で価格は「4000円前後」でかなり優秀
でも概要説明をみると1本100gというのは100㎝サイズの重さのことで、一般的な表示の対象となっている中央値ではないように見えます
(サイズは100cm、110cm、120cm、130cmがあるということで、一番軽いサイズの重さをアピールしているようです)
そこでカナダ「ACE CAMP社」の公式サイトを見ても一番小さいサイズの100㎝タイプが100gとしか書いていません
▼ACE CAMP社サイト
割合からすると、100㎝が100gなので、中央値110㎝では110gくらいになるのかなと思います
中央値110㎝の110gを考えると確かに最軽量クラスですが、表題どおりの「1本100g」は眉唾のようでちょっと残念。あくまでACECAMP社のトレッキングポールは参考と考えてみます
「FIZAN(フィザン) COMPACT4 FZ-7105」
次に見つけたのは「FIZAN社」の「FIZAN COMPACT4 FZ-7105」といわれるアルミニウムの可変トレッキングポール これは公称1本169gでした
(https://www.amazon.co.jp/dp/B077X9KKZ1)
先ほどのエースキャンプ社の公式表示が確認できないとなるとこちらの方が世界最軽量ということになります・・・・でも冒頭で見つけた150gトレッキングポールの方が軽いですよね
そこでアイテムの概要をよくみてみたら、「4段トレッキングポールでは世界最軽量」と書いてありました。 条件付きで世界最軽量というわけです
ちょっと過大広告のような書き方で、怪しい雰囲気はありますが、重さ1本169gはかなり軽い部類なので、条件さえ自分のほしいものに合えばこの「フェザン コンパクト4」でも十分活躍してくれると思います
[注]参考にフェザン社のサイトを見てみたら、169gが最軽量ではなく、158gが最軽量でした。 ただAmazon、楽天ではこの最軽量タイプはまだ販売されていないようです
(出典 FIZAN公式サイト カタログ:https://www.fizan.it/images/catalogo-summer-2021-compressed.pdf)
(参考 FIZAN公式サイト:https://www.fizan.it/)
「グイデッティ トレッキングポール」
もっと軽量のタイプがないか調べてみると「山旅々」さんが紹介している「1本90g」の「グイデッティ トレッキングポール」を発見しました
(https://www.amazon.co.jp/dp/B01HUNODJS)
▼山旅々さんで紹介してありました

「PLUME」というのは「鳥の羽」という意味で、その名のとおり、鳥の羽のように軽いアイテムです
このアイテムはトレッキングポールというよりは、トレランやノルディックウォーキング用のポールに使われるアイテムです
この「GUIDETTI(グイデッティ)」というメーカーは1994年の比較的新しいトレッキングポール、スキーストックの専門メーカー。 新しいメーカーですが、専門メーカーでトレッキングポールに関しては間違いがありません
(参考:https://www.guidetti-sport.com/historique-presentation)
グイディティは最軽量ポールだけでなく、個性的なポールをたくさん作っています
例えばこちらの曲がったポール「アーク」をみるとその個性的なコンセプトがよくわかると思います
▼弓のようなトレッキングポールGUIDETTI(グイデッティ) アーク ARC
▼グイディティの公式サイトはこちら

現在は残念ながら「1本90gのポール」は生産されていないようです
現在生産されているグイディティの最軽量のポールを公式サイトで見てみると、「FEATHERカーボンシリーズ(1本100g)」があり、これがボクが調べる限りで世界最軽量のトレッキングポールです

(※FEATHERカーボンシリーズ サイズ:110~125 cm 重量:100 g(115 cm))
ここでもわかる通り、普通のトレッキングポールよりトレラン用のトレッキングポールは格段に軽くなります
世界最軽量のトレッキングポールは、ほとんどがトレラン用のポールを見ると見つけることが可能です。・・・しかしほとんどのポールにクセがあります。 例えばコンパクトにすることができなかったり、耐久性も最小限に設計しているものが多かったり、初心者にはあまりおすすめできないポールも多いです
ここで紹介した軽量トレッキングポールはAmazonや楽天でも販売しているので購入するときには参考にしてください
ただ、ボクが確認したときは、ほとんどが人気のためか売り切れになっていました
入荷待ちのアイテムもあるので、ときどき確認して運が良ければ購入できるかもしれません
トレッキングポール 軽量|トレッキングポール モンベルの最軽量アイテム
アウトドアメーカー人気の「モンベル」では、最軽量トレッキングポールはどのくらい軽量なのか調べました
見たところ、一番軽い最軽量は「U.L.フォールディングポール 」でした
(https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1140186)
モンベルは現在32種類のトレッキングポールやストックがあります。トレッキングポール専門のメーカーと同じくらいの種類で、価格も比較的リーズナブルなので、人気が高いです
その中でも最軽量のこのトレッキングポールは軽量折り畳みタイプで強度もあります(注意事項:スノーバスケットは装着できない)
重さは世界一軽いというわけにはいきませんが、軽量と言われる標準の150gに近い重さ(中央値113㎝で1本147g バスケットとかも含むと157g)でモンベルの中ではこのシリーズがトレッキングポール最軽量、収納サイズは37センチです
モンベルの軽量トレッキングポール一番のメリットは、軽くて折りたためるコンパクト仕様なのに公式価格5280円という安さがメリット
デメリットは長さの調整ができないこと(口コミでも不満があったようです) 長さ調整ができないのが不便と感じる人にはおすすめできないようです
トレッキングポール 軽量|トレッキングポール シナノの最軽量アイテム
最近人気のトレッキングポール専門店のシナノの中で最軽量アイテムを探して見ました
トレッキングポールとしてシナノの最軽量は「Fast-115 カーボンW」 これは重さ1本216gで19580円と価格はちょっと高めです
重さは軽量といわれるレベルの1本150gより60g以上も重いので、軽量というには難しいレベルのトレッキングポールです
(https://www.amazon.co.jp/dp/B07RL6D71T)
シナノは軽量が売りというよりは、重量バランスが売りなので、それほど軽さを追求しているわけではなくメーカー的にはこれでもOKというところでしょうか
実際「1本216g」という数字はそれほど重いわけではなく、登山初心者にもおすすめできるレベルのウェイトです
ここでトレッキングポールとしての規格からはずれますが、トレラン用ポールとしてなら「トレランポール11.0AIR」が、実質のシナノ最軽量ポールです(1本134g)
▼「トレランポール11.0AIR」はこちら

どうしてこれをトレッキングポールとしておすすめしないかは、公式サイトに
「強度について
ポールの強度はトレッキングポールのSG基準があります。
図のような軸方向圧縮試験により、トレッキングポールのSG合格基準は400N(40.8kgf)の耐荷重が必要とされています。
トレランポールはこの基準の65~70パーセントの強度であり、トレッキングポールとしての強度は備えていません。
軽さ、コンパクト性を優先した商品のため、製品強度を超えて使用すると簡単に折れたり曲がったりします。」
(出典:シナノ)
と表示されているため
まあこれを言ってしまえばSGマーク基準を満たしていないトレッキングポールはトレッキングポールとしては推奨されないポールということになります
SGマークとは日本独自の基準で「安全基準・製品認証・事故賠償」が一体となっている制度です。 その基準をクリアした製品につけるのがSGマークで、基準クリアの証明になります。 以前は法律で定められていた基準でしたが、今は法律が改正されて、法律の枠からははずれています(参考:一般財団 製品安全協会 https://www.sg-mark.org/aboutsgmark)
▼トレッキングポールのSG基準はこちら
確かにSG基準に合致していれば初心者としては安心ですが、個人的にはあくまで参考として見てもよいのかなと感じます
トレランポールの初心者用なら「トレランポール14.0」です
でもこちらもトレッキングポールとしては推奨していないようです
▼トレランポール14.0
(https://www.amazon.co.jp/dp/B01EAW2T66)
(公式サイト:https://sinano.co.jp/suntrace/fast115.php)
シナノの良さはその重量バランスです
個人的にトレッキングポールのバランスをそれほどそこまでバランスを意識したことがないので、山に慣れている人ならばそれほど気にすることもないかなと思いますが、疲労が激しくなったときや、足腰に不安がある人が使った場合にその重量バランスが生きてきます
トレッキングポール 軽量|トレッキングポール軽量アイテム「おすすめ」はやっぱりこれか・・・
トレッキングポールの軽量タイプについて再度まとめてみます
★★「重さ」★★
軽量トレッキングポールを見てみると、軽量トレッキングポールの定義は1本200g未満から150gくらいが「軽量」という感じ
そして150g未満は「最軽量サイズ」と区分けできそう
150g未満のポールは強度の不安がでてくるので、十分な強度が確保できるか、信頼できるメーカーなのかなどのチェックは必須です
そして150g未満になってくると、トレラン用トレッキングポールの割合が多くなってきて、世界最軽量のレベルがゴロゴロでてきます
トレッキングのポールとしてトレラン用のポールを使いたいところですが、シナノの公式ページなどをみると、フラッグシップのトレラン用ポールでもトレッキングポールとして使うことをおすすめしていません(上級者用で強度などに問題あり) そう考えるとやっぱり150g以下レベルは、少なくても登山初心者にはおすすめできないレベルと言えます
★★「価格」★★
これは「軽量トレッキングポール」の中でも下記のように区分けするとわかりやすいかも
- 登山初心者向けの簡易的なポールは5000円程度
- ハードな登山にも耐えられるように作られているポールが10000円を超えてくる
簡単なハイキングや散策程度なら3000円から5000円程度が良いですが、それ以上(標高1000m以下程度のトレッキングやピークハント)なら5000円を超えるトレッキングポールが良い場合が多いです
コスパがよさげに見える3000円以下のポールは、個人的にちょっと不安です
購入する場合は、あくまで自己責任で決断ください
そうはいっても価格はあくまで目安なので、不安な場合は直接メーカーに問い合わせたほうが間違いないです
そんなことを踏まえつつ、ボクのトレッキングポール軽量アイテムおすすめはブラックダイヤモンド社の「ディスタンスカーボンZ」が軽量トレッキングポールではおすすめです
▼ディスタンスカーボンZ
剛性があって、折り畳み式でコンパクト性も高く、重さは中央値で1本150gの最軽量トレッキングポールの部類です
デメリットは価格。 公式価格で税込み「20350円」。 高値すぎるので、初心者では二の足を踏むかもしれません
そしてこの2万円の価格は1本の価格で 2本ペアでは4万円ちかくなり、おすすめとはいいながらこの価格ではおすすめするのも気まずい感じになってしまうのも確か
この価格でもスキーポールやストックまでの剛性は付加されていないので、あくまでトレッキングレベルのポールになります
逆を言えば、安全と機能をしっかりもれなく考えると、価格はここまでの価格が必要になる・・・ということになります
これを踏まえて、価格が安いトレッキングポールはその価格の分だけ安全や機能が抜けていると考えて、トレッキングポール選びの参考としてもらうとうれしいです