登山のロープワークの結び方6選を紹介
ここではボクのバイブル「イラストクライミング」の参考を交えながら、結び方やロープの束ね方などを紹介します
とても見やすくてボリュームも多くとても参考になります
==▼目次==
- 登山のロープワーク「ロープの結び方6選」
- 結び方を画像に残そう
- ロープ同士で摩擦させない 必ずつなぎはカラビナを使う
- クライミング ロープ 束ね方
- 登山のロープワーク ①|エイトノットの結び方
- 登山ロープの結び方 ③簡単ロープワーク 登山教室 Back-Country穂高
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登山のロープワーク「ロープの結び方6選」
登山のロープワーク 基本の結び方を紹介します
ロープは結び方が基本で、結び方が雑だったり間違っていたりすると事故のもとになるので、よく練習しておいてほしいです
ただ結び方を覚えるのではなく、完成型を覚えておくのがコツです
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[エイトノット]ロープワークその1
ロープワークで登山初心者にまず覚えてほしいのが「エイトノット」です
これを初心者が使うところというと
- 危険なところで自分のカラダを確保したいとき
- 立木に結び斜面をトラバース
ほとんどの場合ロープは上級者が持っていて、危険なルートを渡るときなどにロープを出します
ロープは危険なところにしか使いませんが、そのときに直接自分のカラダとロープを結ぶための結び方がエイトノットです
ほとんどの場合は上級者が結んでくれると思いますが、自分で覚えておけば万が一の結びの間違いにも気づくし、自分の分を自分でやることができれば時間短縮にもなります
エイトノットがほどけてしまうような具体的な事例はまだ報告されていませんが、人間のカラダを確保するときにはなるべくエイトノット 末端処理(結び目をもう一つ作ってスッポ抜けを防止する)を忘れないでください
▼エイトノットからの末端処理
[プルージックノット]ロープワークその2
プルージックノットも登山初心者でも覚えておきたいロープワークです
▼ロープに輪を1回転させたときの形
▼ロープに輪を2回転させてできた形(2回転以上は必須です)
プルージックノットは、自前でスリングを作る結び方で、6㎜や7㎜の細引きを登山の登攀のときにロープに絡ませて、転落しそうなときにギュッと絞られて、結果ロープにからまり落ちないようにする結び方です
あまり登山初心者がプルージックでロープ登ることはないかもしれませんが、緊急のときに使うこともあるので、自分のカラダとロープをつなぐようになる大事なロープワークを確認や知識として覚えておいてほしいです
また、自分のカラダを確保するだけでなく、テントの外側の張りヒモとテントに結んで、テントを張るようなときも使えます
生活の中でも使えることが多いとても便利なロープワークなので覚えておきたい結び方です
[インクノット 結び方]ロープワークその3
インクノットとは、マスト結びやトックリ結びと言われる結び方で、2つの輪を重ねることで、カラビナや木の枝などにロープを固定させてしまう結び方です
名前のとおりインクの瓶の口を結ぶときにも使われていたり、トックリ結びと言われるように、トックリの首の部分にこの結び方で結んで運んでいたり、簡単にそしてしっかり固定できるメリットがあります
ほかには危険な斜面をトラバース(斜面を横切る)するときに、ロープを木に結んで、もう片方のロープを木などに固定するときもよく使います
ボクがよく使うのは危険な崖や滝などで、上から後続を引き上げる際、支点の立ち木にインクノットで支点にするときにつかいます、(ロープの片方で自分を確保、もう片方は後続の確保)
登山初心者の人の場合は、例えばタープで使うブルーシートの端に小さな石をつつんで、それをかませるようにしてロープを結ぶときに便利なので、これも知っておいて損はない結び方です
[ブーリン結びとエバンスノット]ロープワークその4
ブーリン結びは結びの王様とも言われる結び方で、落下したときに、上から垂らされたロープを片手で自分のカラダに巻き付けて確保することができる・・・と言われている結び方です
ほかにも、ジャンルは違いますが、海で船を桟橋に結ぶときに使う「もやい結び」もこの結び方
登山では危ない斜面などをわたるときに、ロープの端を木に結ぶときにも使います
以前、登山を始めるとき最初に覚えなくてはいけない結び方とされていましたが、1970年代にほどける事故が多発したので、登山の各テキストから一時期なくなったといわれています
もやい結びには、作業中ほどけにくく、作業後はほどきやすいという利便性があり、長い間使用されてきました。
しかし、ヨーロッパの登山・レスキューにおいて、ほどける事故が多発したため、70年代には登山のテキストから消えたといわれています。
FTGロープアクセス
実際ボクが使うのは、カラダに直接結ぶよりはロープを木などに結ぶときに仮固定のようなイメージでつかうことが多いです
結び目が動くようなところに使うと、その動きで結び目がほどけてしまう場合があるので注意が必要ですね
ブーリン結びをした後は「エバンス」と言われる末端処理をするのが一般的ですので、忘れずに行ってください
▼ブーリンとエバンスの結び目はくっつけておいてください
ボーラインノット<片手結び>
ブーリン結びは「ボーラインノット」ともいいます
こちらの動画はボーラインノットを片手でやっている動画でとても参考になります
ボクはどっちかというとこのやり方で覚えたので、こっちの方がいいですが、できれば普通の結び方も覚えたほうがいいと感じました
片手結びは自分のカラダを結ぶにはいいですが、立ち木などに結ぶにはちょっと手間取ります
便利そうに見えますが、一長一短がありますね
[ダブルフィッシャーマンズノット]ロープワークその5
これは名前(フィッシャーマン)からわかると思いますが、釣りでよく使われる結び方で、登山ではロープ同士をつなぐためによく使われます
▼注意:右と左では巻きの向きが違うので注意
釣りでは「二重テグス結び」などと言われてテグスを結ぶときに使われます
ボクが登山でよく使うのは、スリングを自前で作るときで、スタティックロープの結索でよく使われます
(※スタティックロープとは、伸び縮みがほとんどないロープのこと)
釣りではあまり気にしませんが、登山で使うスリングでは、結びの向きにも注意ください
結び目の右と左では「巻きつける方向が逆になるよう」にするとほどけにくいスリングがつくることができます
スリング作成で一番需要なことは、「荷重をかけておくこと」です
どんな結び方でもいいですが、全体重をかけて結び目を固定しないと、あとで抜けてしまう可能性がでてきてしまいます
また末端のあまりは径の10倍出すといわれています。
例えば8㎜径のロープならば、80㎜(8㎝)で、これもすっぽ抜け防止なので参考にしてください
結び目がきれいにできるとそれだけ強度が増すので、丁寧につくることが大切です
[カウヒッチ(ひばり結び)]ロープワークその6
カウヒッチは輪になったロープ(スリングなど)を棒などのように仮固定するときに使います
カウヒッチの語源は家畜の牛をつないで引っ張るヒモに使ったことからついた名前ということ
ボクの場合クライミングロープではあまり使わず、細引きをテントアンカーに結ぶときなどに使うときがあります
キーホルダーをリュックに引っかけるときも使いますね
ロープというよりは、細いヒモで使うことが多いですね
登山のロープワーク|どうしても覚えられないというときのために結び方を画像に残そう
ボクはよく結び方を忘れることがあります
そんなときのために、結んでいる画像をスマホにいれています(動画は現場ではつかいにくいです)
ロープを結ぶときは急いでいるときが多いので、度忘れをふせぐためのおすすめの方法です
大まかな結ぶ順番と完成形がわかればとても便利ですので、画像保存がおすすめです
登山ロープワークの注意点|ロープ同士で摩擦させない 必ずつなぎはカラビナを使う
必ず覚えてほしいこと、それは「ロープやスリング同士、直接つなげないこと」です
▼これはダメな例
▼なるべくカラビナを間にいれる
ガッチリロープ同士を結ぶようなダブルフィッシャーマンズノットのような結び方を除いて、「遊び」ができてしまうようなつなぎ方の場合は、ロープが動くと摩擦で切れてしまう可能性があります
そのため必ずカラビナで連結するように注意が必要です
登山のロープワーク[クライミング ロープ 束ね方]
登山初心者が覚えておきたいクライミングロープの束ね方ですが、実際はたばねるより、出すのも束ねるのも袋に入れておくととても便利なので、そちらを紹介します
どんなにキレイに束ねても、使うときに急いでしまうと絡むことが多いです
それを防ぐには袋に入れておいて、末端を袋の出口に結んでおきます
使うときはその末端を使うようにすれば、ほとんど絡むことはないはず
ファイントラックのゴージュバッグはこのやり方を採用しています
▼袋の中にロープが入っている
ボクはロープのほとんどフクロを使っていますが、からんだことはありません
デメリットは50M以上になると束ねるスピードが遅くなることですが、最初にロープをさばく(使う前に絡みをほぐす作業)必要がないので、全体的にはスピードアップになると思います
使うフクロはなんでもいいですが、ちょうどロープの量が収まるサイズが良いです
フクロが大きくても小さくても使いにくいので、フクロの大きさにはこだわったほうがいいと思います
[登山のロープワーク]登山ロープの結び方①|エイトノットの結び方
「ヤマレコ」さんの動画です
こちらではエイトノットのいろいろ結び方を紹介しています
丁寧な解説でとても分かりやすい結び方を紹介しています
エイトノットは基本中の基本で、いろいろな場面で使用しますので、しっかり見て学んでほしいです
そしてロープの結びは1回みただけではカラダには染みつきません
何度も何度もイメージして反復練習が必要になるので努力が必要になります
[登山のロープワーク]登山ロープの結び方 ③簡単ロープワーク 登山教室 Back-Country穂高
こちらは有名な「バックカントリー穂高」さんの動画です
こちらではインクノット、半マスト結び(ムンターヒッチ)ダブルフィッシャーマンズノットを紹介しています
ここで説明している半マスト結び(ムンターヒッチ)は懸垂下降のロープの結び方でよく使われますが、初心者がムンターで降りることはそうはないと思うので、参考程度に見てください
全体的にゆっくりとした説明で初心者でもわかりやすいので初心者の方でも安心してみることができます
流れを一度理解したら、今度は見ないでやってみます
そうすると自分がどこを理解していないのかがよくわかるので、また動画をみてからロープで試すを繰り返して、そしてカラダにしみこませてください
※「イラストクライミング」はイラストですが、細かいかゆいところまで詳細に書かれていて、マンガのように読みすすめることができます
空いているときについみてしまうくらい読みやすく、楽しく覚えるのに最適だと思います ボクもチラっとみるだけが、ロープを持ち出していつの間にか練習していることがよくあります 登山初心者に最適ですので参考にしてください