日帰りで白山は何時間で登れるのか?
白山(標高2,702m)の初心者おすすめ最短ルート「砂防新道」のコースタイムは往復7時間40分、難易度は「初・中級者向け」です。高山植物の花観察だけなら白山室堂(標高2450m)まで登り4時間、往復6時間30分でお花畑が楽しめます(※室堂周辺 お花畑地図>>、※白山登山 日帰りコース一覧>>)
最短「砂防新道」の難易度は体力レベル「33」で初・中級者向け。ちなみに「高尾山」は体力レベル初級の13.9、往復3時間50分、「富士山吉田ルート」は中上級のレベル42.7で往復11時間です(※コース定数(難易度)とは>>)
==▼目次==
体力難易度レベル(コース定数とは)
白山はレベル39(コース定数39)。一般的に20前後が一般初心者向けで、30前後が健脚向けと言われています(40以上になると1日は厳しいので泊が伴うくらいのレベル)。ちなみに高尾山は13.9、富士山吉田ルートは42.7です
コース定数(ルート定数)とは鹿屋体育大学 山本正嘉教授の提唱している、ある登山コースを歩いた時にどれくらいの体力が必要かを科学的な方法で数値化したもの
(コース定数計算方法)
コース定数(ルート定数)=1.8×行動時間(コースタイム(h))+0.3×歩行距離(km)+10.0×登り累積標高差(km)+0.6×下り累積標高差(km)
白山登山の最短ルートは?
白山の最短ルートは7割の人が登る人気の「砂防新道」。整備もされているので初級者にもおすすめ。ルートは「市ノ瀬ビジターセンター駐車場からシャトルバスに30分で登山口の別当出合に到着。そこから中飯場(標高1500m)→甚之助避難小屋(標高1960m)→白山室堂(標高2450m)→御前峰(標高2702.1m)まで山頂まで上りが4時間40分、下りが3時間合計7時間40分の道のりです。
以前は砂防ダムの作業道だったものが登山道に採用されました。シーズン中(7月から10月ごろまで)はマイカー規制があるので、西南の石川県側「ビジターセンター」駐車場からシャトルバスで別当出合(標高1,260m)まで行く必要があります。
砂防新道を使った場合の高低差は1472.1mで累積標高は上りが1,600m、下りも1,600mです
(参考:山と高原地図)
白山登山 日帰りコース一覧
砂防新道 往復コース
- コースタイム:往復7時間40分(別当出合から御前峰往復)
- 難易度:体力レベル33
- 消費カロリー:1848kcal
- 参考記録:ヤマップ 別当から御前峰ピストン
- 砂防新道ルートフロー
- 注約:シーズン期間中は市ノ瀬ビジターセンター付近にクルマを駐車し、シャトルバスで登山口である別当出合に行く
- 砂防新道コース詳細マップ
市ノ瀬ビジターセンター駐車場(標高830m)→(シャトルバス使用)→別当出合(標高1260m)→中飯場(標高1500m)→甚之助避難小屋(標高1960m)→白山室堂(標高2450m)→御前峰(標高2702.1m)
最短ルートは別当出合から歩く「砂防新道」で、別当出合(べっとうであい)から山頂の御前峰(ごぜんがみね)往復のコース。登山者の7割がここから登ります。シーズン中はマイカー規制があるので、西南の石川県側「ビジターセンター」駐車場からシャトルバスで別当出合(標高1,260m)まで行きます。山頂まで上りが4時間40分、下りが3時間、高低差は1472.1mで累積標高は上りが1,600m、下りも1,600mです
(市ノ瀬ビジターセンター駐車場)
砂防新道・観光新道周回コース
- 砂防新道・観光新道周回コース詳細マップ
- コースタイム:周回8時間10分(上りは砂防新道、下りは観光新道)
- 難易度:体力レベル34.7
- 消費カロリー:1943.2kcal
- 参考記録:ヤマップ 砂防新道から観光新道
- 砂防新道・観光新道周回コースフロー
<上り>
市ノ瀬ビジターセンター駐車場(830m)→(シャトルバス使用)→別当出合(1260m)→中飯場(1500m)→甚之助避難小屋(1960m)→白山室堂(2450m)→御前峰(2702.1m)
<下り>
御前峰(2702.1m)→白山室堂(2450m)→殿ヶ池避難小屋→別当坂分岐→市ノ瀬ビジターセンター駐車場(830m)
上りを距離がやや近い「砂防新道」を通り、下りを「観光新道」を使うのが一般的。砂防新道往復ではつまらない人向けで、砂防新道にはない花が観光新道ではみることができるので人気が高いルートです
平瀬道往復コース
- 平瀬道往復コース詳細マップ
- コースタイム:往復8時間10分
- 難易度:中級者向けの体力レベル35.5
- 消費カロリー:1988kcal
- 参考記録:ヤマップ 平瀬道往復
- 平瀬道往復コースフロー
大白川の登山口(1250m)→大倉山(2038.5m)→白山室堂(2450m)→御前峰(2702.1m)
東からの最短ルート平瀬道。標高差や距離も西の砂防新道とあまり変わりありませんが、とにかく格段に人が少ないです。静かに最短の登山をしたい方向け。下山後の大白川温泉もおすすめ。ときどき登山口までの道路が工事等で通行止めのときもあるので注意です。(※白山の道路情報>>)
岐阜県側の東側から登る「平瀬道」ルートは大白川ダムの駐車場から、上りが4時間50分(290分)、下りは3時間20分(200分)
(▼平瀬道登山口の駐車場)
砂防新道・釈迦新道コース
- 砂防新道・釈迦新道コース詳細マップ
- コースタイム:周回11時間30分
- 難易度:体力レベル46.6
- 消費カロリー:2609.6kcal
- 参考記録:ヤマレコ 別当から釈迦新道周回
- 砂防新道・釈迦新道コースフロー
<上り>
市ノ瀬ビジターセンター駐車場(830m)→(シャトルバス使用)→別当出合(1260m)→中飯場(1500m)→甚之助避難小屋(1960m)→白山室堂(2450m)→御前峰(2702.1m)
<下り>
御前峰(2702.1m)→大汝峰(2684m)→七倉山分岐→白山釈迦岳(2053.1m)→市ノ瀬ビジターセンター駐車場(830m)
健脚者におすすめの砂防新道から釈迦新道コース。通常は室堂などで一泊ですが、日帰りも可能です。花は釈迦新道の湯の谷乗越の「ミズバショウ」が素晴らしい。砂防新道とは異なり釈迦新道は整備が最小限で、笹ヤブや足下のデコボコなどのワイルドな登山道というのが持ち味。ワイルド過ぎて通行止めのときもあるので注意です(石川県 白山登山道状況)
御前峰から別山コース
- 御前峰から別山コース詳細マップ
- コースタイム:周回13時間
- 難易度:体力レベル52.6
- 消費カロリー:2945.6kcal
- 参考記録:ヤマレコ 別当から釈迦新道周回
- 御前峰から別山コースフロー
<上り>
市ノ瀬ビジターセンター駐車場(830m)→(シャトルバス使用)→別当出合(1260m)→中飯場(1500m)→甚之助避難小屋(1960m)→白山室堂(2450m)→御前峰(2702.1m)
<下り>
御前峰(2702.1m)→白山室堂(2450m)→南竜山荘(2070m)→油坂の頭(2256m)→御舎利山(2342m)→別山(2399.3m)→チブリ尾根避難小屋→猿壁登山口→市ノ瀬ビジターセンター駐車場(830m)
一般の登山者がぎりぎり日帰りできるであろう御前峰と別山のコース。朝早くでると時間の余裕ができてとてもラク。砂防新道から登る場合は市ノ瀬のシャトルバスの1番バスの5時には乗りたいです(市ノ瀬のシャトルバスは5時から運行)
白山はどんな山?
白山とは単独の山ではなく、最高峰の御前峰(標高2,702m)と剣ヶ峰(2,677m)・大汝峰(2,684m)の「白山三山」を中心とした山々の総称で、「白山」の名で百名山にもなっています。山頂の「御前峰(ごぜんがみね)」は「白山比咩神社」の「奥宮」が祭られていて、日本三霊山の一つにもなっています(日本三霊山wiki>>)。白山全体は石川県、岐阜県、福井県にまたがったエリアにありますが、山頂の御前峰は石川県と岐阜県の境にあり、三角点は石川県よりにあります。
7月上旬から8月上旬の高山植物のお花畑が有名で、「ハクサンフウロ」「ハクサンコザクラ」「ハクサンシャジン」「ハクサンチドリ」など、白山(ハクサン)の名にちなんだ高山植物もたくさんあります。雪が遅くまで残り白く見えることから白山と呼ばれていて、その残雪の影響で高山植物の種類が多いと言われています
また白山は活火山で気象庁の「常時観測火山」にも指定されています。最後に噴火したのは「1659年」です。
(参考:wiki)
白山登山の注意点
白山登山の注意点は①マイカー規制、②白山室堂の宿泊は狭い件、③活火山注意、④登山届が義務、⑤登山道崩落、⑥道路の通行止めの6つの注意点があります。
- ①マイカー規制
- ②白山室堂の宿泊は狭い件
- ③火山注意
- ④登山届が義務
- ⑤登山道崩落
- ⑥道路の通行止め
白山登山のピーク時(7月上旬~10月中旬の毎週金曜日~日曜日及び祝日)には市ノ瀬~別当出合間(約6km)のマイカー規制が行われ路線バスを利用することになります。
(石川県 白山マイカー規制について)
白山室堂は昔からの宿泊小屋で、雑魚寝、男女相部屋で1人当たり60cm幅のスペースしかなく、個室はありません。雑魚寝がニガテな人は白山雷鳥荘か少し離れた南竜山荘ならプライベート空間があります。
・白山室堂
1泊2食付 大人: 11,300円 中学生以下:8,400円
(白山室堂HP>>)
・白山雷鳥荘
完全予約制 個室
4.5畳(3名様宿泊時の料金) 1泊2食付 42,500円
(白山雷鳥荘>>)
・南竜山荘
1泊2食:大人11,100円 中学生以下8,400円
素泊 :大人8,000円 中学生以下5,300円
(南竜山荘>>)
白山は活火山。「常時観測火山」の一つで、気象庁が24時間体制で監視している火山です。
登るときは火山の情報の確認も必須です
(岐阜県の火山情報>>)
白山は条例で登山届の提出が「義務」です。市ノ瀬ビジターセンターや別当出合休憩舎など、白山には全登山口(7カ所)に登山届ポストがあるのでそちらに投函ください。
白山は登山道の崩落がときどきあります。石川県では登山道の常時監視をしていて、ホームページで情報の公開をしているのでそちらを参考に計画を立ててください。「
↓
※石川県 白山の施設・登山道の状況について
特に東の岐阜県側の平瀬道登山口までの道路はときどき通行止めになります。最新の情報をゲットください。(白山付近の道路情報>>)
白山登山のベストシーズンは?
高山植物最盛期の7月下旬から8月上旬が白山のベストシーズンです(お花畑地図>>)。この時期は石川県自然解説員研究会で高山植物観察会が催されるのでおすすめです
室堂平の山小屋のオープン期間は「白山室堂 5月1日ごろ~10月15日ごろ」「白山雷鳥荘 6月24日ごろ~10月8日ごろ」が営業期間でこの期間が夏山のシーズン。(宿泊詳細はこちら>>)。
白山頂上に奥宮を奉っている「白山比咩神社」では、毎年7月1日に山を開き、8月31日に閉山します。(※山開きについて>>、閉山について>>)
白山の初冠雪は10月中旬でそのころにはトイレ水道がストップし、吊り橋の板もはずされます。紅葉の見ごろは9月下旬からです。
(▼白山登山道情報)
白山登山 お花畑位置図
白山登山 紅葉は何月から?
白山山頂部の紅葉は9月下旬ごろから始まり、登山口の800m付近は10月下旬から11月上旬が見ごろです。白山の高原道路「白山ホワイトロード」からも紅葉がキレイです(白山ホワイトロードはいつ通れますか?)
白山ホワイトロードはいつ通れますか?
紅葉で有名な白山ホワイトロードはときどき通行止めになります。例えば2023/5/20に全線開通になったのですが、すぐに2023/6/30に雨のために再度通行止めになっていますホームページで最新の情報を出しているので、そちらを参考に(※最新の通行止め情報はこちらから>>)
白山ホワイトロードの通常の交通可能期間は毎年6月中旬から11月初旬まで通行できます。冬季閉鎖は11月上旬から6月上旬です(開通期間)。見どころは秋の紅葉で、通行料は普通車往復2,600円(税込)です
白山ホワイトロード(旧スーパー林道)の紅葉はいつ頃?
一番早いところで、岐阜側の「三方岩岳(1736m地点)」や「三方岩駐車場(1450m地点)」では9月下旬から色づき始めます。徐々に紅葉が下に下りてきて、最後はホワイトロードスタート地点の石川県側「中宮展示館前(600m地点)」では11月上旬が見頃です。
(▼詳細な紅葉見頃マップはこちら)
白山ホワイトロードの料金はいくらですか?
往復で普通車2,600円軽自動車2,200円。有料区間内でのUターンは片道料金になります。支払いは「現金のみ」で障害者割引き、石川県と岐阜県の学校ならば割引きがあります。6月上旬~11月10日まで営業予定ですが、6月~8月は「午前7時~午後6時(出口閉門午後7時)」、9月~11月:午前8時~午後5時(出口閉門午後6時)と時間が変わるので注意です
(▼料金その他の詳細はこちら)
白山登山初心者の装備は?
(初級者必須の服装)
- 帽子(日差し避け、小雨からメガネガード)
- アウター(風をさえぎる)
- 長袖のシャツ(日差しとケガ防止の長袖)
- ズボン(丈夫さ重視)
- 乾きやすいアンダーウェア(化繊かウール)
- 手袋(軍手でも可)
- レインウェア(必須)
- ソックス(なるべく厚め推奨)
- 登山靴(履き慣れ必須)
- スパッツ(朝露や小石侵入防止)
(初心者必須の持ち物)
- ザック(軽くて丈夫なもの)
- ザックカバー
- 食料・飲み物(水は1L程度)
- 非常食(チョコナッツなど)
- 地図(磁北線確認)
- コンパス(使えるようにしておく)
- ラジオ(お天気情報、雷感知など)
- ゴミ袋
- 保険証
- ライター(焚き火の練習をしておくこと)
- ナイフ
- スマホ(携帯電話)
- 応急用品
- インナーシーツ(小屋泊まりの場合)
- 身分証明書
(積雪期の持ち物)
- 毛糸・化繊の帽子
- 冬用グローブ
- アイゼン
- ピッケル
- スノーシュー