「シカ」と「観光客」の話
尾瀬のシカによる食害とそのガッカリする対策を知ってほしいと思います
尾瀬にはまだ数えるほどしか行ったことがないですが、田舎に住んでいて、自然に慣れている自分ですら、その自然の深さに感動しました。
距離はありますが、交通の整備もきれいにされており、高齢の方も小さい子供も歩いていて、安全面でも充実していることがよくわかります。
尾瀬の現在のちょっとだめなところ
2017年くらいから問題になっているのは、大きく2つ。
・1つはシカの被害
・もう一つは観光客の減少
ということだそうです。
どちらも、すぐ対処しなくてはならないけれども、とても深い問題。
1つずつ見てみます。
シカの被害でミズバショウが減少
尾瀬にもシカがいたんでしたっけ?
いろいろなサイトをみると、害をなしているのは、ニホンシカで、以前までは生息していなかったようで、1990年くらいから目撃されるようになったようです。
尾瀬には1回しか行ったことはありませんが、その周辺にはよく行っていました。
でも、ニホンシカには一度もあったことがありません。
いろいろ調べてみると、群馬側に多くいるようです。
そして、片品村の大清水登山口のミズバショウなどは、3分の1が食害にあってしまって、観光に大きく影響しているようです。
尾瀬と言えば、ミズバショウ。
それがどんどんシカの食害でなくなっているという状況。
シカが尾瀬に移動してきたのは、温暖化の影響でしょうか。
最近は、何でも全部温暖化のせいにしてしまいますが、このシカ増加はそれだけではないかもしれません。
自分の家の近くにも野生のケモノが多くなり、被害が甚大になっています。
これは温暖化のせいではなく、里山の田畑や、山林を管理する人がいなくなってきているため、草木が生い茂ってきて、その分、野生のケモノが多くなってきているのです。(だと思います。)
これを放置はしておけませんので、こういう場合は、早速駆除の方針になるのが最近の通例。
自分はシカに何度か直接会ったことがありますが、野生のシカ(ニホンジカ)に会ったときに、まず何を思ったのか。
それはまず
「筋肉すごっ・・・」
です。
次に、
「なぜ、いつまでもジっと見ているの・・・」
です。
自分が見たニホンジカは、近距離でみると、筋肉が凄くて、まったく怖がらない動物と言う印象。
こっちはとても怖かったです。
写真でみると、「つぶらな瞳」で、まったく怖くないと思いますが、実際対峙(たいじ)してみると、「つぶらな瞳」ではなく「いじめっ子の眼」に見えます。
そしてケンカしても勝てる自信は全くありません。
クマにも遭ったことがありますが、こっちは筋肉が毛で完全に見えないので、そういう怖さはありませんでした。
ニホンジカも毛がありますが、毛が短いので、筋肉が浮いてみえるのです。
あれは勝てませんので、ごめんなさいをして、とにかくソーっと逃げた記憶があります。
食害も問題ですが、観光客と野生のシカが接近することで、ケガをするような問題も出てくるかもしれません
シカの駆除
それはそうと、シカ駆除の話。
最近のシカは頭がよく、
1000匹いると、3匹くらいしかひっかからないようです。
尾瀬ヶ原での3ヶ月定点観測で、2,495頭を確認。
ワナにかかるのは個々のうち2,465×0.003=7頭・・・・・これで群馬県は2017年の予算1,300万円らしいです。
※参考:日経新聞(https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG30028_Q3A330C1CR8000/)
これはほとんど意味がないような気がしますが、やらないよりはいいという見解らしいですが・・・・どうなんでしょうか。
自分としては、ミズバショウがなくならないように、ただ、ただ、頑張ってほしいだけです。
でもやっぱりシカは頭いいんですね。
また、確率の低いワナだけに頼る訳にはいかないので、地元猟友会の出番だそうです。
しかし、最近ハンターの記事を書くために、いろいろリサーチしていますが、かなりのスピードでハンター数が減少しているようです。
狩猟免許と鉄砲所持許可をとる方法|ハンターをするために
現在は、ハンター専業では暮らしていくのは難しいですが、なんとなくもう少し時代が進むと、ハンター専業で食べていけそうな需要がそこかしこにでてきそう。
尾瀬のシカ駆除もそうですよね。
尾瀬の駆除はうまくいくといいですが、ここまでの情報ですと、難しいような気がします。
また、本気で考えているかわかりませんが、「ニホンオオカミ」の復活を勧めているサイトもありました。
・・・んー、ニホンオオカミ増やそうとするとまた別の問題が出てきそうなので、自分としては「無しかなー」と思います。
何にせよ群馬県はシカ対策に1300万円の予算をつけたようなので、成果を出してほしいと思います。
尾瀬、観光客の減少
これはちょっとびっくりしました。
最近まで富士山のリサーチをしていましたが、富士山では、観光客の増加の問題が大きくなっています。
そのような背景から、尾瀬もそれほどマイナーな観光場所でないと思っていたので、観光客が増えていると思っていました。
でも実は減っているようです。
調べてみると、確かに平成8年をピークに徐々に減っているようです。
そして、観光客が減ると、尾瀬の山小屋の経営が大変になります。
山小屋は宿泊客などからの収益もそうですが、尾瀬の環境保全、そして、なにより、遭難救助も併せて行っていて、それらが難しくなる可能性があります。
どの山でもそうですが、山小屋と観光客は支え合っている関係にあります。
尾瀬もほかと同じく、経営をしているといえども、観光をするうえでは無くてはならない拠点です。
データをみてみると、総入山者数は
平成 8年:647,523人
平成27年:326,100人
※参考:尾瀬保護財団( https://www.oze-fnd.or.jp/oza/a-sg/nbp/ )
となっており、約半分。
激減といっていいですね。これは。
ここからさあどうするかということでしょうか。
尾瀬の観光客増加を目指すには
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平成29年(2017年)8月くらいに「尾瀬の環境保全と適正利用を考える尾瀬サミット」がありました。
そこで、問題点が話し合われ、それに対する提案もいくつかあったようです。
下記その提案の一部。
- 1 尾瀬の魅力を若者にアピールする情報発信
- 2 外国人登山客の誘客
- 3 高齢者や障害者が楽しめる新たな登山ルート整備
あまりパッとしない提案ですが、現状ではこのくらいがギリギリのところ。
あと考えられるのは、富士山のように「世界遺産」を目指すくらいですが、それも、国内の最終リストに入ることができていないので、少なくても当分ムリだと思います。
そうなると、やっぱり外国人観光客の獲得が一番現実的。
現在オリンピックで外国からの誘致を国でも積極的にフォローしているので、それに乗るしかないです。
まとめ
最後のまとめですが、あまりパッとしない締めになりそうです。すみません。
それほど「尾瀬の問題」は難しいですね。
個人的に考えると、平成8年の人数が異常だっただけで、今も少し多いかな?くらいの人数だと思います。
尾瀬沼や尾瀬ヶ原にはあまりいったことはありませんが、その周辺の山にはボチボチ行っています。
激混みするのは、6月のミズバショウの時期で、それ以外は、落ち着いた雰囲気で、自分好み。
それでも、まだまだ人数は多いと思っているくらいです。
尾瀬の自然もそれ以外の自然もそうですが、
「荒れて行けなくなるのは寂しいけれども、人が多いのはイヤ」
というわがままなことを個人的には考えているので、山小屋経営には大変申し訳ありませんが、このままの人数でいってくれないかなーとちょっと思っています。すみません。
それでは。