登山靴に使用期限はないが、おおよそ寿命は3~5年というのがメーカーや現場の職人さんなどの見解。ボクの肌感でも3~5年でソールの接着剤やプラの部分が加水分解ではがれる。高いものなので、替え時がむずかしく、山で壊れる前に交換したい。それには使った後、使う前のソール部のチェックが肝心。面倒でも山でソールが剥がれるよりはよい。

==▼目次==
登山靴の加水分解は何年くらいか
登山靴の経年劣化の多くは「加水分解」が影響する。そして加水分解で接着剤が劣化しソールがはがれてしまう現象は特に注意。その加水分解までの寿命はおおよそ「5年」。

5年で経年劣化するといっても、実際、加水分解は製造後から少しづつすすんでいて、水や汗を含むと劣化が進み、それが限界に達すると歩いていて前触れもなく突然ソールがはがれる。ときどき登山道で靴のソールが落ちていますが、ソレはコレが理由。
(参考:接着剤加水分解の論文はこちら>>)
加水分解とは
加水分解とはその名のとおり、水分によって物体が分解する作用。イメージは、茶碗のご飯の汚れを水につけておいてふやけさせる状態が加水分解のイメージに近い。ほぼどんな物質もほぼ加水分解が進行していて、違いは分解が早いか遅いかだけ
(※参考>>Wikipedia)
登山靴が加水分解をおこすと使っているウレタン系接着剤やウレタンゴムは特に加水分解が早く、接着剤ならはがれるし、本体ならボロボロになる
モンベルの登山靴の寿命は5年
モンベル公式では登山靴の寿命を5年程度。

(▼モンベルの登山靴寿命解説)
公式に書いてあるということは、モンベルはこれ基本に登山靴を製造しているということ。そのため特にモンベルアイテムの4年目は注意の時期になるので、靴を使う前のソールの確認は重要
モンベルでは5年経つ前にソールの張替えを推奨していて、ちょっと高いが張替えのサービスも行っている
モンベルのソール張替え料金
モンベルではモンベルで販売している靴のみソールの張替えサービス約13,500円でやっている。メリットはほかの登山靴のソール張替え料金と比べるとやや安めということ。デメリットはこちら>>
(▼モンベル公式張替えのページ)

モンベルソール張替えの「デメリット」
- デメリットその1:期間がかかること。早くて1週間くらい。その間は登山靴なしになる。場合によっては1か月くらいかかる
- デメリットその2:モンベルでは他社の登山靴は修理しない。そこは注意。
時間がかかるのがイヤなら自前で修理。接着剤をアマゾンで買って、ソールを貼り変えてガムテなどでグルグル完全固定しておけば1週間くらいで使えるようになる。
※コスパで速い自前修理はこちら→登山靴のソール張替え
登山靴 ビブラムソールの寿命
登山靴の有名なソール「ビブラムソール」は、抜群の耐久性と滑り止めの強さが特徴の超有名ソール。その信頼の証にビブラム社はソールしか作っていないくらいソール特化している。でも残念ながら使っている登山靴の寿命はやっぱり3~5年。ソール自体の耐久性も、使っている接着剤もやっぱり5年くらいが節目だからだ。

(ビブラムソールの口コミ参考:yourmystar)
冬山登山靴の寿命は?
冬に使う登山靴の寿命は、夏用とだいたい同じ5年くらいといわれているが、夏の靴よりやや丈夫な感はある。

長持ちする理由は夏靴より冬靴のほうが丈夫・堅牢に作られているため。そのために加水分解しにくいと思われる。またソールの摩擦が雪と氷で少ないため。そのため冬の靴のほうがやや長持ちすると思われる。大事に使えば冬山の登山靴はだいたい6~8年くらい持つので、高価でも最初からレベルの高い靴がよい
ゴアテックス登山靴の寿命
登山靴本体の寿命は約5年。ゴアテックスの透湿防水性能は10年程度と推測。
(※参考>>公式で耐久性には言及していないが、「ふっ素樹脂の耐候性に関する研究」という研究では、紫外線照射量2500MJ/m2までは(日本国内14~15年相当)劣化しなかった、としているので、少なくても14~15年以上、外に放置していても劣化しないとしている。)
透湿防水のゴアテックスファブリクスは耐久性が10年以上で加水分解しにくい素材。なので、透湿防水性能はそれほど気にしなくてもOK。
ただ登山靴自体は5年くらいで靴のソールのはがれや擦り減りが訪れるので、登山靴自体の寿命はほかの登山靴同様に5年だ。
登山靴のソール 張替え料金・回数など
登山靴のソール張替えは平均で15,000円程度。2回くらい交換修理をすると、本体の登山靴と同じような値段になる。そのため1回交換したら次は買い替えがおすすめ

(張替え料金例)
- ヨシミスポーツ:16,000円税込~23,000円税込 価格確認はこちら>>
- 靴のお悩み110番:11,000円から15,000円 価格確認はこちら>>
- 靴修理大好き工房:14,000円~15,000円 価格確認はこちら>>
- RESCUE:14,000円~19,000円 価格確認はこちら>>
登山シューズの買い替え時期は?
買い替え時期は、ソール交換などの修理に出さないなら4年程度で交換がベスト。劣化時期がおよそ5年なので、お金に余裕があるならば安全をとって4年目で購入するのがよい。
ソール張替えなどの修理に出すなら1回ソール張替え後の7~8年目が買い換え時。修理を2回以上するのは本体より高価になるので、おすすめしません。
上手にやれば自前でも交換ができますが、慣れないと時間が必要。また適合する新しいソールは販売していないこともあるので注意。
登山靴メンテナンス 扇風機 乾燥のやり方
- 準備物は①タイマー付きの扇風機、②新聞紙、③ビニルシート
- まず靴のドロや汚れを落とす
- 新聞紙の上に靴を置く
- 靴の背(アキレス腱側)を下にして靴を立て、なるべく中に風が入るようにする
- 靴が濡れているなら新聞紙の下にビニルシートを敷く
- タイマーで約3時間程度扇風機を当てる。強さは「弱」か「中」
- ほとんどこれで乾くが、乾かないときはさらに3時間追加
- 扇風機の強さを「強」にすると靴が倒れたり、新聞紙が折れたりするのでおすすめしない


コメント