魔法瓶の構造で、どうやって大気圏を突破するのか|「タイガー」の挑戦
魔法瓶で有名な「タイガー」が何故か(なぜか)宇宙開発に携わった(たずさわった)というお話
日本の宇宙開発のトップ「JAXA」(ジャクサ)から
「アメリカやロシアに頼ることのなく、日本独自の方法で実験物を地球に戻したい」
「その入れ物に日本の「魔法瓶」の技術を使いたい」
ということで、「タイガー」が技術の粋を使って「宇宙型魔法瓶」を作りました
魔法瓶が大気圏を突入する・・・なんかギャグマンガみたいな話です
▼登山グッズおもしろ版
タイガー「魔法瓶」が宇宙に行く経緯
魔法瓶の会社「タイガー」がJAXAに宇宙に行く魔法瓶を依頼されました
出典:タイガー
(▼タイガー魔法瓶の説明)
「タイガー」がお願いされた内容は、
宇宙でたんぱく質結晶化などの実験を進めているJAXAが考えたのは、物質を魔法瓶のような容器に入れ、さらに容器を守るカプセルをつくり、大気圏に再突入させて帰還する
この「魔法瓶型カプセル」の開発が依頼内容です
これだけ見ると簡単なような気がしますが、記事を読み進めると、かなり厳しい現実が判明します
容器の内部を4日間にわたってセ氏4度に保ち、海に着水する時の40Gにもなる衝撃に耐える必要がある。40Gとは、時速200キロメートルでコンクリートにぶつかるようなものだ。
・・・・ッパないす
カプセルの中の環境を保つ条件が厳しすぎる・・・・
これをどうやって解決するのでしょうか・・・・
タイガーがこの「不可能な依頼」を請け負った理由
今回なぜタイガーさんに白羽の矢(しらはのや)が立ったのか
日本には他にも「魔法びん屋さん」は、たくさんあります
例えば、タイガーさんと同じくらい有名な「象印」さん
そして、「グロリア」さん、「ピーコック」さんと日本にはいくつか有名なメーカーがあるのですが、残念ながらどこも断られてしまったそうです
「理由はお金」
でも、それは会社として当然です
会社である以上、儲け(もうけ)をあげるのが最大の目的
なので、お金にならない事業を請け負うのは愚の骨頂(ぐのこっちょう)です
むしろ、今回の「タイガー」さんのように、儲けや可能性がとても低そうなことに挑戦するのは、逆に会社的にあまりよろしくないのでは・・と思います
でもそれをあえて「タイガー」さんは挑戦します
ほかのメーカーがやりたくないというのは、見込みがないということは客観的にもわかりますので、普通はしません
少なくても自分はできないですね
どうして挑戦に至ったかというと記事を見ると、これに挑戦する理由がありました
04年、トヨタ自動車が北米で販売するハイブリッド車「プリウス」に部品が使われたのだ。
(中略)
走る時に温かいエンジン冷却水を真空タンク内に蓄え、エンジンを再び始動する時に供給して温度を上げ、動き出しの効率を上げる。デンソーとの共同開発だ。自動車産業での技術の採用も初めてだった。車での成功が、宇宙への挑戦の意欲につながった。
要(よう)は魔法瓶ではないほかの産業で成功したことが、今回のチャレンジにつながったと言っています
・・・・個人的には「二匹目のドジョウ」を探すのは、ちょっと早計(そうけい)な理由かなと思います
クルマ産業を飛び出して、今度は宇宙ですからね
でも、そうと決まったからには進むしかありません
GOGOです
どうやって宇宙の荒波を超えてくる性能を引き出したか
先ほどもいいましたが、依頼の条件は
- 容器の内部を4日間にわたってセ氏4度に保つ
- 時速200キロメートルでコンクリートにぶつかっても大丈夫なもの
これは厳しい
宇宙の温度は「約マイナス270度」
簡単にいうと、原子の振動が完全に止まる世界です
過酷(かこく)過ぎて想像がつきません
ここで内部を4日間も「セ氏4度」にすることは、暴挙(ぼうきょ)と思ってしまうのは自分だけではないと思います
自分の持っているサーモスボトルの仕様を見てみると
- 6時間後で80度キープ
- 24時間で60度キープ
となっています
(▼自分これ使っています)
これを見てもマイナス270度の世界で、「4日間も4度Cを保つ」のはどうしても難しいことがわかります
感覚的に考えると、24時間後は少なくても「0度」くらいではないでしょうか
そしてもう一つは「衝撃(しょうげき)
自分の持っているサーモスボトルで実験するのは嫌なので、時速40Kmで衝突したクルマの動画を載せますのでごらんください
40㎞でこれですから、時速200㎞の世界は想像できません
カンベンしてほしいですね
でもこれをやってのけます
ここからはネタバレになるので、詳しくは「日経の無料会員」か「有料会員」になって確認してみてください
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日本経済新聞 「最強の魔法瓶」大気圏突入 タイガーがJAXAと開発
個人的にこの結果を見て
「スゲー やろうと思えばできるんだ・・・・」
って感じになりました
「タイガー」すごいす
タイガーさんというか、日本の底ヂカラを見たような・・そんな感じになりました
願わくはこの技術が登山でも使われることを祈りますね
以上です