ゴアテックスの種類
ゴアテックスの種類は9種類。一般的なゴアテックス、頑丈重視のプロ、持続通気性のパフォーマンス、軽量でコンパクト重視のパックライト、そのパックライトをやや丈夫にしたパックライトプラス、頑丈無視の軽量化シェイクドライ、頑丈さと軽量さのアクティブ、靴用ゴアテックスのフットウェア、防水無しの通気性重視インフィニウムがあります。どれも得意分野が違うのでランクがあるわけではありませんが、比較的価格が高いのは「プロ」です。
※ゴアテックス種類の違いはこちら>>ゴアテックスの種類比較
==▼目次==
ゴアテックスの種類の比較
<ゴアテックス> (▼ミレー GORE-TEX) ![]() (広告) <特徴> ・優れた汎用性が特徴 | <公式info> ・耐久防水性 ・優れた透湿性 ・高い防風性 ・インサレーション 入りもある | <その他> ・2層、3層ファブリクス ・PFCEC Free DWR ・トレラン、普段使い、スキースノボ、ゴルフ、ハンティング、キャンプ ※ゴアテックスの詳細はこちら>> 公式ページ>> |
<ゴアテックス プロ> (▼マムート GORE-TEX PRO ) ![]() (広告) <特徴> ・最も丈夫で耐久性に 優れた保護を必要とする、 アウトドアのスペシャリ ストやコアなアウトドア 愛好家向けの製品 | <公式info> ・耐久防水性 ・極めて優れた透湿性 ・高い防風性 ・非常に頑丈 ・ストレッチ入りもある | <その他> ・3層ファブリクス ・表地:耐摩耗性、耐スナッグ性 ・登山、クライミング、山スキー、アイスクライミング ※ゴアテックス プロの詳細はこちら>> 公式ページ>> |
<ゴアテックス パフォーマンス> (▼カリマー GORE-TEX PERFORMANCE) ![]() (広告) <特徴> ・持続する透湿性と確実なプロテクション 長時間の活動に最適。 一般アウトドア用 | <公式info> ・耐久防水性 ・持続する透湿性 ・確実なプロテクション ・高い防風性 ・インサレーション入りもある | <その他> ・2層、3層ファブリクス ・表地:低吸水性(水が溜まりにくい)で透湿維持 ・表地:すり傷や破れに強い ・トレッキング、山スキー、登山、トレラン 公式ページ>> |
<ゴアテックス パックライト> (▼バートン Gore-TEX Paclite) ![]() (広告) <特徴> ・バックアップシェルとして軽くてコンパクト。日常でも使える便利さが特徴 | <公式info> ・コンパクトで軽量 ・極めて優れた透湿性 ・耐久防水性 ・高い防風性 | <その他> ・2.5層ファブリクス ・裏地無し ・表地:低吸水性(水が溜まりにくい)で透湿維持 ・表地:すり傷や破れに強い ・ランニング、トレラン、サイクリング、ゴルフ、フィッシング、普段使い ※パックライト詳細はこちら>> 公式ページ>> |
<ゴアテックス パックライト プラス> (▼カリマー Gore-TEX Paclite-plus) ![]() (広告) <特徴> ・コンパクトな収納と高い耐久性 不測の事態に備えた究極のバックアップジャケット | <公式info> ・コンパクトで軽量 ・耐久防水性 ・優れた透湿性 ・高い防風性 | <その他> ・2.5層ファブリクス ・裏面:耐摩耗加工 ・登山、釣り、トレラン ※パックライトプラス詳細はこちら>> 公式ページ>> |
<ゴアテックス シェイクドライ> (▼ゴアテックス Gore-TEX Shakedry) ![]() (広告) <特徴> ・スピード重視の最も優れた透湿性と軽量性が特徴 | <公式info> ・ユニークな撥水性 ・軽量 ・極めて優れた透湿性 ・耐久防水性 ・高い防風性 | <その他> ・2層ファブリクス ・表地無し。ゴアテックスメンブレンが表面 ・ランニング、サイクリング、トレラン、ゴルフ、普段使い 公式ページ>> |
<ゴアテックス アクティブ> (▼ゴアテックス Gore-TEX Active) ![]() (広告) <特徴> ・悪天候下での激しい有酸素運動や 1 日で終える活動を想定してデザイン | <公式info> ・極めて優れた透湿性 ・軽量性 ・耐久防水性 ・高い防風性 | <その他> ・3層ファブリクス ・軽量GORE-TEX メンブレンと13~30デニールの非常に薄い表生地、および軽量のGORE(R) C-KNIT(TM) バッカーを組み合わせ ・マウンテンバイク、トレラン、サイクリング、ランニング、山スキー、登山 ※アクティブの詳細はこちら>> 公式ページ>> |
<ゴアテックス フットウェア> (▼サロモン Gore-TEX footwear) ![]() (広告) <特徴> ・靴用のシンプルな透湿防水デザイン | <公式info> ・耐久防水性 ・最適化された透湿性 ・インサレーション入りもある | <その他> ・普段使い、ウォーキング、トレラン、クライミング、ランニング、ゴルフ 公式ページ>> |
<ゴアテックス インフィニウム> (▼ミズノ GORE-TEX INFINIUM) ![]() (広告) <特徴> ・防水無し。通気性と撥水性のウィンドブレーカー | <公式info> ・高い防風性 ・優れた透湿性 ・耐水性 ・インサレーション入りもある | <その他> ・普段使い、登山、トレラン、ランニング、サイクリング、フィッシング、スキースノボ ※インフィニウムの詳細はこちら>> 公式ページ>> |
ノーマル「ゴアテックス」
最も汎用性の高いのが一般的なゴアテックスと呼ばれるノーマルなゴアテックス。防水や透湿などの基本性能を十分に兼ね備えていますので、一般的なアウトドアでの利用なら普通のゴアテックスがおすすめです
(▼ゴアテックスを使ったアウター)
(https://m.media-amazon.com/images/I/81KmAHaC9IL._AC_UX466_.jpg)
ゴアテックスプロ
防水も高スペック、透湿も高スペック、耐久性もかなり高いゴアテックスです。それだけ価格も高いです
(▼ゴアテックスプロを使ったアウター)
(https://m.media-amazon.com/images/I/61FT8xKOdYL._AC_SL1200_.jpg)
ゴアテックスプロは、より本格的な活動をする方におすすめです
一般的なゴアテックスよりも高い耐久性をもち、透湿性も向上しています
ゴアテックスプロは、レジャー以上の活動(=仕事 遭難救助とか)をする場合に効果を最大限に発揮します
ホントのプロ用
ゴアテックスアクティブ
ゴアテックスアクティブは、透湿重視でそして軽い。激しい運動をする人におすすめでスポーツなどで使用する場合は、ゴアテックスアクティブがおすすめです
(▼ゴアテックスアクティブを使ったアウター)
(https://m.media-amazon.com/images/I/41aspP7VBgL._AC_.jpg)
デメリットは耐久性が少ないこと
3層構造ですが、1枚1枚がかなり薄く作られています
表・裏地が13~30デニールということ
ストッキングは30デニール未満なので、その薄さがわかると思います
ゴアテックスインフィニアムの性能は?
ゴアテックスインフィニアム性能は
- 防風性能 風量1.0cfm(5L/m2/s)以下の空気透過性
- メンブレン 水蒸気分子の900倍の大きさの孔
- 耐久撥水加工 DWR
(https://m.media-amazon.com/images/I/81zAfXLjXjL._AC_UX466_.jpg)
マウンテンハードウェアのウィンドブレーカーと比較すると防風性能は20cfmの空気透過性に対し、ゴアテックスは1.0cfm。ゴアのほうがより風を通さないです
通常のウィンドブレーカーは空気透過性0.9cfmくらい。でもこれでは今度は水蒸気を通しにくいのでムレの原因になります。ゴアは水蒸気の900倍の穴がありこれで汗を逃がすことができます。
参考
(https://www.gore-tex.com/jp/technology/infinium/windstopper)
(https://www.mountainhardwear.jp/special/preshell/)
ゴアテックスインフィニアム 耐水圧
ゴアテックスインフィニアムの耐水圧は約300mmと推測できます。その理由は公式ページに「小雨であれば水滴が滑り落ちる」と書いてあり、おおよそ小雨を防ぐ耐水圧は300mmが一般的となっているためです
参考
(https://www.gore-tex.com/jp/technology/infinium)
(https://www.nihonhifuku.jp/columns/water_pressure_resistance/)
最新素材「ゴアテックス-インフィニウム」
ゴアテックスなのに、防水じゃない!というゴアテックスのイメージとはかけ離れた性能
なぜこんないままでのやり方をガラリと変えた製品を作ったか・・・一番の理由は市場の動向
最近は、トレイルランやランニングなどの人気もあって、ソフトシェル的な「薄いナイロンジャケット」が人気
透湿性能がすごくて、防風で、耐水・・・・というジャケットが最近人気なんですね
その市場に合わせてゴアテックスも動いたということになります
ゴアテックスというと、「防水」と「透湿」を思い浮かべてしまいますが、そうではない素材もあるので、買うときは注意
最新 Gore-tex pacliteの特徴は?
ゴアテックス パックライトの特徴は、その名のとおり、コンパクトでパックしやすいのが一番の特徴。そして軽量です
(▼プロモンテ ゴアテックスパックライト)
(https://m.media-amazon.com/images/I/61BlD6dcdXL._AC_SX679_.jpg)
軽いだけならゴアテックス シェイクドライが2層構造で最強ですが、パックライトの使命はコンパクトになることが重要
公式ページにも「バックアップ用」と書いてあるので、荷物を持ちたくないアクティブな運動で急な雨などにチカラを発揮します。例えばランニングやサイクリング、ウォーキングなどです。なるべくコンパクトになるゴアテックスを目指して開発されました
参考(https://www.gore-tex.com/jp/technology/original-gore-tex-products/paclite)
Gore-tex paclite-plusの特徴・違い
ゴアテックスの最新シリーズ、パックライトとパックライトプラスは両方ともコンパクトさが特徴。2つの違いは表の生地。プラスはパックライトより丈夫な表生地を使用しています。その分やや重くなる傾向あり。
(▼ダイワ ゴアテックスパックライトプラス)
(https://m.media-amazon.com/images/I/51nyr29xPpL._AC_SX679_.jpg)
使い方としては、ランニングならパックライト。トレランならパックライトプラスという使い方がイメージしやすいです
参考(https://www.gore-tex.com/jp/technology/original-gore-tex-products/paclite-plus)
ゴアテックス 何年持つ?
ゴアテックス素材、ポリテトラフルオロエチレンの研究をみると、ゴアテックスは少なくても14~15年は透湿防水機能は劣化しないと推測できます。
ゴアテックス公式では劣化をはっきり何年とは言っていません
日本の研究「ふっ素樹脂の耐候性に関する研究」では、ふっ素樹脂厚が1mm以上あれば100年間程度は耐候劣化は生じないと推定しています。ただ実際使用しているゴアテックスメンブレンは0.01mmなので、単純には計算できません。
ここでの研究では、紫外線照射量2500MJ/m2までは(日本国内14~15年相当)劣化しなかった、としているので、少なくても14~15年以上、外に放置していても劣化しないとしています。
ゴアテックス劣化・剥離レビュー
ボクは「ゴアテックス プロシェル」を2つほど5年以上使っていますが、透湿防水が損なわれるということはなく、まだまだ現役。表面のレイヤーはさすがに弱ってきている感はありますが、一部修理してまだまだ使える感じがします
ゴアテックスのテクノロジーは繊細(せんさい)で緻密(ちみつ)です。そのためメンテナンスも繊細にやっているのではないか・・・と思われるかもしれませんが、メンテは基本洗濯機。そしてときどき「乾燥機」も使います
それでも、剥離(はくり はがれること)や劣化(れっか)による破れや機能がなくなるようなことは、ほぼありません(山でこすって表面の一部が破れることはありました)
ゴアテックス全体を見ると、メンテナンスが面倒なイメージはありますが、まったくそんなことはありませんので、心配しないでください
やっぱり登山には「ゴアテックスプロ」がオススメ
いくらレジャーといっても、山は簡単に人を裏切ります。そのために、個人的にはやっぱり「ゴアテックスプロ」がオススメ。公式サイトにも「レジャー以上の活動」と書いてあるので、初心者の人はちょっと勘違いしてしまうかもしれませんが、価格が合えば、ハイキングでもトレッキングでもやっぱりいいものを着てほしいですね
▼ゴアテックスプロを使ったアウター
(https://m.media-amazon.com/images/I/71c3fwt0gpL._AC_UX466_.jpg)
ゴアテックス以外の透湿防水素材
ゴアテックス以外の透湿防水素材には、パーテックス、イーベント、ネオシェル、ドライQ、H2Noパフォーマンス、オムニテック、ブリーズドライテックがあります。
==▼目次==
パーテックス
パーテックスは、1979年、英国の登山家が開発した、薄くて軽量でダウン抜けせず、かつ強靭(きょうじん)なナイロン素材です
使い方によって、クアンタム、マイクロライト、クラッシック、エンデュランス、イクイリプリアム、シールドの6種に大別されます
この中で透湿防水の機能をもつ生地は「シールド」と呼ばれています
▼パーテックスを使ったアウターモンテイン メンズ アウター ジャケット
スポンサーリンク
最新のデータは「耐水圧20,000mm、透湿性20,000g/㎡」で優秀です
その「シールド」シリーズの中でも「シールドDV」はかなり優秀な感じがします
参考:TORAYA SPORTS トラヤスポーツのブログ
https://blogs.yahoo.co.jp/mountain_trash/56567819.html
参考:山と道ラボ
https://www.yamatomichi.com/journals/5557/
eVent(イーベント)
「イーベント」はゴアテックスと同じ「フッ素樹脂(PTFE)」という、同じ「膜」を使っていますが、ゴアテックスの「膜」は親水性(水になじむ)に対して、イーベントは、疎水性(水をはじく)になるように性質を加工しているので汚れがつきにくいのが特徴。ゴアテックスの場合は、直接人間の皮フに触ると、油や汚れがついてしまいますので、それを防ぐためにゴアテックスには裏地がついています。しかし、この裏地があると透湿性能が制限されてしまいますが、イーベントはこの裏地がないので、その分、透湿性が高くなるということです
(▼イーベントウェア)
(https://m.media-amazon.com/images/I/41l9VzJocqL._SL500_.jpg)
ゴアテックスに勝るとも劣らない透湿防水素材として注目されているのが「eVent(イーベント)」です(開発はイギリスのBHA社)
「ゴアテックスの防水性はそのままに、透湿性を向上させた」というものです
また、ゴアテックスはウェア内の湿度が外気の温度よりも高くなるまで透湿しにくいですが、イーベントは、着た瞬間から透湿が始まります(圧力が少なくても水蒸気の移動が可能)
イメージとしては、「じんわり通気している」という感じです
スペックは耐水圧30,000mm、透湿性30,000g/㎡という驚異(きょうい)のスペック
透湿が気になる自分としては、これだけ見ると完全にゴアを抜いているように感じますが、いかんせん名前が売れていません
価格もそれほど大きな差がないように見えるので、これから見直されてくると、ゴアテックスを抜くかもしれない一品です
(▼イーベントアウター)
(広告)
参考:eVENT公式サイト(http://www.eventfabrics.com/)
参考:CONTOUR:https://www.contour-outdoor.com/rab-%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%82%BA/%E9%98%B2%E6%B0%B4%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%AB-%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%84-event/
ネオシェル(ポーラテック)
ポーラテック社はフリースの生地とても有名な会社です
現在もほとんどの高スペックフリースはこの素材を使っています
そこで開発した「ネオシェル」は、次世代の透湿防水素材として登場
(▼ネオシェルジャケット)
(https://m.media-amazon.com/images/I/61qbcrzFffL._AC_UX569_.jpg)
ネオシェルは他の生地と異なっていて、防水のソフトシェルという感覚が特長で、しなやかさが売りですね
詳細スペックがないので、細かい比較ができませんが、クチコミなどを見ると、ゴアテックスと比較すると「透湿性は良い」ようです
防水性は若干劣り(おとり)ます
劣ると言っても、登山で普通に使う(沢登りや激しく汗をかく動きではない)範囲では全く問題ありません
(▼ティートンブロスのアウター)
(広告)
参考:
ポーラテック公式サイト
geared:http://geared.jp/tsuchiya/2013/02/event.html
山と道ラボ
https://www.yamatomichi.com/journals/5557/
DryQ(ドライキュー)(マウンテンハードウェア)
有名登山メーカー「マウンテンハードウェア」の独自の生地です
▼ドライQを使ったアウター
(https://m.media-amazon.com/images/I/41JzmKxVNaL._SL500_.jpg)
「DryQ(ドライキュー)」には、「ドライQコア、ドライQエリート、ドライQエバップ」の3種類があります
この生地は、2011年に開発された素材で、ゴアテックスを上回る透湿性があるとして注目されています
「ドライQコア」は、ドライQのベーシック的な物であり、時間が経過しても透湿性が損なわれない素材です
「ドライQエリート」は、着た瞬間から透湿が始まる優秀な生地で、通気性重視なので、衣服内の湿度が上昇しなくても透湿してくれます
「ドライQエバップ」は、ドライQのメンブレンにエバップという裏地の速乾技術を組み合わせた素材です
これも登山メーカーの経験が含まれている透湿素材で、とても優秀
汗抜けを重視しているので、活動的な登山に使えそうですね
(▼マウンテンハードウェア ドライQ)
(広告)
H2Noパフォーマンス・スタンダード・シェル(パタゴニア)
昔からゴアテックスと戦ってきたパタゴニア独自の透湿防水機能です
▼H2Noパフォーマンスを使ったアウター
(https://m.media-amazon.com/images/I/51pGQ3htjML._AC_UX569_.jpg)
以前パタゴニアの透湿防水はこれしか使っていませんでしたが、最近は特許権が外れて安くなったことが理由のためか(自分の予想)、パタゴニアでもゴアテックス製品を使うようになりました
ゴアテックスもいいのですが、やっぱり価格帯は「H2Noパフォーマンス」が断然(だんぜん)安いです
ゴアテックスとH2Noの両方があることで、ユーザー的には選べるものが増えてありがたいですね
スペック情報は少ないです
現在のところ、耐水圧20,000mm、透湿は透湿性10,000g/㎡くらいだと思われます
機能がゴアテックスより低く見られますが、コストパフォーマンスがかなりいいので、プラスマイナスゼロというところでしょうか
個人的にH2Noを使っていて不満はありませんので、価格を見て選ぶといいと思います
(広告)
参考:透湿防水性生地の透湿性能比較実験
参考:パタゴニア:https://www.patagonia.jp/3-layer-h2no.html
オムニテック(コロンビア)
非公式ですが耐水圧20,000mm、透湿は透湿性10,000g/㎡という報告があります
▼オムニテックを使ったアウター
(https://m.media-amazon.com/images/I/51uBmYkMg+L._AC_SX679_.jpg)
実験が古いので、現在のスペックと比べるのは難しいですが、現在はこの数値よりいいと思われます
オムニテックも性能はゴアテックスより劣る(おとる)と思われがちですが、価格など、総合的にみると、これも悪くない選択だと思います
コロンビアおしゃれですしね
(広告)
参考:コロンビア公式サイト
参考:透湿実験
ブリーズドライテック(モンベル)
日本の代表的なアウトドアメーカー「モンベル」が開発した素材です
▼ブリーズドライテックを使ったアウター
(https://m.media-amazon.com/images/I/41rnGLkptXL._SL500_.jpg)
公式発表の性能は耐水圧25,000mm、透湿性15,000g/m2・24hrsという、ゴアテックスに迫る(せまる)性能でかなり優秀
価格もゴアテックスと比べると「かなり安い!」
モンベルは、自社の「ブリーズドライテック」も扱っていますが、「ゴアテックス」も扱っていて、ユーザー的に選べる自由がありとてもありがたいです
参考:モンベル
ゴアテックス 何レイヤー?|3、2.5、2層レイヤー
ゴアテックスのレイヤー数は3層が基準ですが、2.5層、2層のレイヤーもあります
==▼目次==
レイヤーというのは、ゴアテックスファブリクスが何枚重ねになっているかを表しています
現在は、3レイヤーと2.5レイヤーが主流で、2レイヤーはほとんど使われていません
そんなことで、「2.5レイヤー」と「2レイヤー」を区別しない方もいます
「それなら3レイヤーでいいじゃん! 2.5とか2レイヤーにする理由は?」と思う人もいると思いますが、これには深い理由があり、その理由は「軽量化」です
何枚も層のあるゴアテックスって意外と重く、防水だけのウェアならば、1枚(1レイヤー)で十分ですが、それが3枚もあり、簡単に言うと、カッパを3枚着ていることになります(ちょっと大げさですが)これをできるだけ軽量化したい思いが「2レイヤー」・「2.5レイヤー」を作りました
登山をする人は、「軽量化」の執着(しゅうちゃく)が半端ありません。先人(せんじん)の話を聞くと、軽量化のため、ウェアのタグ(首の後ろにある商品タグ)は原則すべて切っていたそうです。タグ1枚の重さなんてたかが知れている・・・と思うかもしれませんが、そのくらい血眼(ちまなこ)になって軽量化を考えていたといえますね
ゴアテックスの素材の構造は3層が基本
ゴアテックスの構造の基本は「3層」の仕組みになっていて、表層はプロテクション重視、中間層にゴアテックスのメイン膜があって、下層は肌からの油分が付かないようにガードしています
(▼3構造の役割)
パーツ | 役 割 |
---|---|
①表地 | 撥水・耐久性の向上 |
②メンブレン(膜) | 防水・防風・透湿 |
③裏地 | 吸湿・メンブレンの汚れ防止・肌触り |
- ①外側(表)の素材
- ②中央(真ん中)(ゴアテックスメンブレン)の素材
- ③内側(裏)の素材
一番外側の部分は、水をはじく性質の素材が用いられ、風やほこりにも強い素材です
この外側の強い素材により、ゴアテックスの丈夫さは支えられています
中央の素材がゴアテックスの重要な素材で、メンブレンと呼びます
ここが機能して初めて透湿防水になるので、前後の生地は、ここを保護することが一番の仕事です
内側の素材は肌(はだ)に最も近い生地になります
水蒸気などが直接肌に当たるのが、この内側の生地で、この内側の生地も重要な素材です
透湿防水のメンブレンが親水性(水とよくなじむ)なので、肌からの汚れがつきやすいんです
「裏生地」は、この汚れ防止が一番重要です
このようにゴアテックスは、ゴアテックスラミネートと呼ばれる3層の構造が基本です
2レイヤー
3レイヤーから裏地を省いたもの、つまり、表地・ゴアテックスブレンの2層のみでできたものが「ゴアテックス2レイヤー」といいます
軽さを追求した形です
しかし、このままでは、ゴアテックスブレンがむき出しで皮脂や汗が付いてしまうデメリットがあって、今、ほとんどありません
2.5レイヤー
「2レイヤー」のデメリットを補うのが「ゴアテックス2.5レイヤー」です
裏側を凸凹(でこぼこ)のあるプリントをすることで、メンブレンを保護したもの、これが「ゴアテックス2.5レイヤー」です
しかし、このプリントは単なる加工であって生地ではないので、「0.5」とカウントされます
また、2レイヤーは、別の生地、貼り合わせていない独立した生地を併用することでゴアテックスブレンを保護しています
「ゴアテックスメンブレン」と「ゴアテックスファブリクス」の違い
ゴアテックスメンブレンとは、ゴアテックスの正体である「防水膜(ゴアテックスメンブレン)」のこと。ゴアテックスファブリクスとは、メンブレンと別の生地を重ねた完成型の防水布のことです
ゴアテックスメンブレン=透湿防水の膜
ゴアテックスの正体は、「ゴアテックスメンブレン」という膜
水は通さないけど、水蒸気は通す「膜」です
これが透湿防水の一番のキモの部分
ゴアテックスメンブレンは、小さな孔(あな)がたくさん空いた構造をしています
この孔(あな)は、「水蒸気の分子」は通るけど、「水の分子」は通れない、分子レベルでの調整がされています
そのため「水や風を通さずに、水蒸気だけ通す」ことができ、「雨を防ぎつつ、汗を逃がしてくれる素材」となるわけです
ゴアテックスファブリクス=メンブレンを含む完成させた1枚
ゴアテックスメンブレンは「ペラペラの膜」なので、メンブレン単体でウェアの生地として使うことはできません
メンブレンの表と裏に別の布を貼り合わせ、1つにした生地が「ゴアテックスファブリクス」です
先ほども言いましたが、一枚の生地ではなく、何枚かの生地を貼り合わせて一枚の布にしています
そのため、表地と裏地を変えることで、いろんな特徴をもった「ゴアテックスファブリクス」を作ることも可能な汎用性も持っています
一般的に言われる、透湿防水生地としての「ゴアテックス」は、この何層にもなって1枚に見える「ゴアテックスファブリクス」のことを指していることが多いですね
ゴアテックスの会社は「W.L.ゴア&アソシエイツ」
ゴアテックスとは、商品名ではなく「ウェアの素材」を指していて、アメリカの「W.L.ゴア&アソシエイツ(W. L. Gore & Associates, Inc.)」が販売している「素材の商標名」のことをいいます
(https://m.media-amazon.com/images/I/71GV61NO33L._AC_UL1500_.jpg)
会社の名前が長いので、通称は「ゴア(Gore)社」と言われています
当時は「防水」なのに「透湿」という反対の機能を備えていて、かなり画期的な発明でした
今も、かなり画期的なことをし続けている会社です(>>ゴアテックス素材より画期的な挑戦はコチラ)
==▼目次==
ゴアテックスの特長はとにかく「透湿防水」
ゴアテックス素材の特長はなんといっても「透湿防水」
水を通さない防水機能と、湿気を通す透湿機能の2つを併せて持っている「スーパー生地」です
今までは、防水と透湿の2つの性能の両立が難しいと考えられていましたが、ゴアテックスは、この2つの機能を実現しました
ゴアテックスの登場により、雨天時でも体をドライに保ちアウトドアを楽しむことができるようになったので、特に「登山」や「雨の日に野外で仕事をする人」には、かなりありがたい機能
その特徴によって、「蒸れずに動ける」ことがどれだけありがたいか!!!
「登山」であれば、低体温症などによる遭難の危険が軽減されて、行動範囲がとても広がります
防水のみのカッパでは、汗をかく行動ができないので、あまり動けなくなります
それだけ、汗処理(あせしょり)は難しいです
それが、ゴアテックスを使うだけで、ほぼ解決!
登山界にとっては、「産業革命」に匹敵(ひってき)する発明だといえます
ゴアテックスがない時代は「カッパ」と「ヤッケ」
ゴアテックスがない時代の登山は、「完全防水のカッパ」を着ていました
先人に聞くと、カッパの機能は「防水」だけなので、雨は防いでくれますが、汗を通さず注意しないとカラダが「ビチャビチャ」にぬれてしまったということでした
夏は「カッパ」を使っていましたが、冬は「ヤッケ」を使うことが多かったようです
「ヤッケ」とは、ちょうど「ウィンドブレーカー」に近い製品ですね
▼これが「ヤッケ」です
これは通気性と防風性がありますが、防水性は「ほぼ」ありません
冬も注意しないと、溶けた雪が「しみてきます」
これらからわかるとおり、ゴアテックス以前の登山は、「濡れ(ぬれ)との戦い」だったようです
そんなときに救世主のように登場したのが「ゴアテックス」
価格はかなり高価でしたが、登山のためにあるような機能で、瞬く間(またたくま)に登山界に広まっていきました
ゴアテックス社はみんなが株主
こちらのコラムで書いていますが、「ゴア社」は社員全員に「持ち株」を渡しています

これがほかの会社と比べると、高成長の理由の一つのようです
つまり「自然と仕事に責任を持てる環境をつくる」ということですね
そして、民主主義を重視した理念も特長の一つです
それに関連して、ゴア社ならではの下記のようなエピソードがあります
リーダーは指名されるのではなく、ついていく人がある程度いれば、自然と立ち上がる。
これも一般の会社組織では見られない「おもしろいシステム」です
個人的に「15少年漂流記」で主人公の「ブリアン」と「ゴードン」が自然とリーダー格になっていったことを思い出しました
「漂流記」も「ゴア社」も雰囲気でリーダーが決まっていく、民主主義のお手本のような手法です
研究者は業務時間のうち、10パーセントを新しいアイデアのために使っていいことになっている。
これは、最近多くの会社がマネしているやり方です(Googleは20%)
新しいことへの「飽くなき挑戦(あくなきちょうせん)」がよくわかるエピソードで、個人的にとても好きなシステムです
このように、ゴアテックスという「素材」もすごいですが、このような会社の環境が「ゴアテックス」を作っているということは、あまり知られていないようです
こういったやり方で、従業員満足度のアワードで賞をもらったり、直近20年間で収益3倍もの成長を遂げたり(とげたり)しているのです
いいものができる理由がよくわかります
透湿防水の素材だけでなく、こういったところも他のメーカーも生かして、そしていいものを作ってほしいですね
以上