登山に適した、栄養たっぷりの【ペミカン】の作り方とレシピを紹介します
先輩からは、「ペミカンまずい」という話しも聞きますが、上手につくれば美味しいんです
以前、雑誌「岳人」にペミカンの作り方がかいてあり、山で食べると美味しさ倍増!ラッセルも倍増!と書いてありました
ペミカンとは・・
「ペミカン(英語: pemmican)は、カナダ及びアメリカに先住するインディアンたちの伝統的な食品。
携帯保存食の一種。」
(出典:ウェキペディア)
という保存食の一種
カロリーが高いので下界で食べるとちょっと危険ですが、山ではちょうどいい栄養価のとても高い食べ物のお話です
自分が「ペミカン」というものを聞いたのは、雑誌「岳人」で見たのが最初でした。
登山家「天野和明」さんが所属していた、明治大学のペミカンの作り方を紹介していた記事です。
脂肪をかなり使う保存食なので、ダイエットをしている方にはあまり楽しい内容ではないと思いますが、紹介したいと思います。
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ペミカンの作り方
ペミカンの作り方を紹介します
ボクが実践しているのは、以前「岳人」に載っていた天野和明さんの作り方は「明治大学流」です
「ペミカン」をオンラインで調べてみると、「クックパッド」さんの【みんなが作ってる】 ペミカンのレシピ 【クックパッド】がありました
ここでも詳しく作り方が書いてありますが、やはりさっぱりとした、食材を溶かさないペミカンがメインのようです
日本人が作るペミカンは、本来のペミカンとは異なっていて、手間や燃料を少なくしながら、料理をおいしくすることが目的のものです。
そういう意味では、クックパッドさんの作り方も理にかなっています
山では特に、それほど手間をかけなくても、料理に幅がでるので、登山家に好まれたのでしょう。
「明治大学流」はちょっとやり方が違っていて、食材をある程度ドロドロにさせます
そうすることで、ほかの料理とよくなじむようにするようにしています
作り方は下記のとおり。
準備するもの
- 人参
- 玉ねぎ
- じゃがいも
- ニンニク
- しょうが
- 豚小間肉
- ラード
- (バター)
- 塩
- コショウ
これだけです。
これらをトロトロになるまで煮込んでいきます。
「明治大学山岳部流」ペミカンの作り方
- 適量の「人参」、「たまねぎ」、「じゃがいも」、「適量のにんにく」、「しょうが」、「豚小間肉」を細かく切り分けておきます。
- 鍋に「ラード」を溶かし、それに「1」で作ったものを投入します。
- 投入する順番は、「にんにく」、「しょうが」を炒めて、そこに「肉」を投入。
- 「塩コショウ」を振り、「肉」に火が通ったら、大量の「人参」、「玉ねぎ」、「じゃがいも」を入れて、5~8時間煮込みます。←これちょっと大変
- そうすると、トロトロになり、原形が無くなります。
- これを小分けにして、冷蔵庫で冷やします。

あまり煮込まなくても、具材がなじめばそれでもOK!
作り方はこれだけ。
そうするとこんなものができます。
↓
出典:「岳人」
とても簡単ですが、5~8時間の煮込みは意外と大変なので、自分としては、どろどろになるまでやらなくても効果は十分だと思います。
確かにドロドロになるまで溶かすと、その後、カレーや鍋などに入れると、なじみが良くなりますが、食材がある程度「あめ色」になればそれなりにOKなので、そこにバターやラードを再投入してから冷やすだけで、問題ありません。
ペミカンの作り方|使い方(スープ、ラーメン、カレーなど)
ボクの使い方はペミカンをスープにしたりチキンラーメンに入れたりと、何かの料理にプラスワンを入れる感じで使います
できれば、お湯を入れるだけのスープよりは味のある何かに加えるようにするとおいしいと思います
ペミカンも持っていき方は、小分けにしたものを、山行に持っていきます。
テン場についたら、冬ならば雪の中に入れておくと長期間保存できますが、1泊くらいなら雪の中に入れておかなくてもいいです。
夏でも使えますが、そのときは流水が近くにあれば入れておくと、長持ちすると思います。
夏も1泊くらいでは高温にならなければ問題ないです。
使える料理
1)ラーメンに入れる。
シンプル過ぎる山のラーメンも、深みとコクのあるラーメンの出来上がり楽しい食事ができること請け合い。
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2)カレーに入れるだけ。
レトルトのカレーも栄養たっぷり、脂肪もたっぷりの活力カレーの出来上がり。
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3)お湯で溶かすだけ。
お湯に溶かすだけで、風味タップリのスープができます。
風味だけでなく栄養もたっぷりなので、忙しいときには、これだけでもOK。
本当にシンプルに「カロリーたっぷり」にできてしまいますが、個人的には物足りないです
コクを考えるにはちょっと濃いめにつくる必要があります
ペミカンの保存期間
よく聞かれるのがペミカンの保存期間のことですが、これは常識的な範囲で考えていいと思います
ボクの所感では少なくても1週間くらいはダイジョブでした
夏は使わないのでどのくらい悪くなるかは不明ですが、冬は1週間どころか1ヶ月くらいはダイジョブではないかと思います(あくまで所感です)
ウィキペディアには「1年から5年保存できる」とありましたが、なんとなくそれは難しいのでは・・・と思いました
一般的な保存期間や賞味期限などがないので、感覚的なところですがこんな感じが経験則上保存できる期間と思います
ペミカンの販売
今のところAmazonでも楽天でもペミカンの販売はみたことがありません
ペミカンのブームがここ最近のコロナの登山ブームに乗ってきているもののようなので、いままで脚光を全く浴びていなかったペミカンは、登山食を作っているメーカーでも販売までには至っていないようです(調べると、先住民が入れていたクランベリーの販売か「ペミカン スタッシュ」さんのアルバムしまでてきません)
実際主食として使うものではなく、何かの主食に追加してうまみを増すような「調味料」的な使い方が多いペミカンなので、これを使うことによって雰囲気はだせますが、かなり疲れる登山をしないとカラダが欲さないので、「スゴイうまい!」と感じることは少ないかもしれません
ボクはチキンラーメンとかの方が好きかもです
ペミカンの作り方|ペミカンの由来
ペミカンは、アメリカのインディアンの伝統食で、本来は、加熱した動物性の脂肪(ラード)に細かくした干し肉とドライフルーツを混ぜて固めたもの。
語源はカナダの原住民の言葉「クリー語」の「ペミーカーン」(ペミーは脂肪を意味します)が語源のようです。
その名のとおり、脂肪のかたまりがメイン。
うーんダイエットに反するので、かなり心が痛みますね。
現在も一部の先住民のなかでは使われているようです。
参考文献:ウィキペディア(ペミカン)
(こちらのコラムでペミカンのことを詳しく話しています)
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こちらの雑誌でも作り方を載せています
紹介している「アウトドアめしの新常識!? 山岳部伝統の「ペミカン」が超便利だった」では、ドロドロにさせないさっぱりとした作りがメインのようです
詳細は下記の雑誌「PEAKS(ピークス)」参照です
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ペミカンの作り方|冬の登山はお腹が減る
冬の登山は、とてもカロリーを使います。
雪と影響と、荷物の多さ、加えて、自分は山スキーがメインですから、足にはスキー板が括り付け(くくりつけ)られていて、完全に拷問ですね。
通常の縦走では簡単に行けるような場所も、倍くらいの時間がかかる場合もあります。
そして、いつも楽々行けているところなので、無意識のうちに急いで登っていることもよくあります。
セオリーでは、最初のうちはゆっくり登らなくてはいけないところですが、いつもより時間がかかってしまうため、焦ってしまうのでしょう。
そうすると、余計カロリーの減りは大きく、たとえ高いカロリーのものを食べても全く太りません。
逆に痩せて(やせて)いきます。
ダイエットにはピッタリのような気がしますが、急激な体重の上がり下がりは体には良くないので、注意が必要です。
それでも上手にやれば、冬の登山は結果的にダイエットができてしまうのかもしれません。
それほどカロリーを使うのが冬の登山ですね。
ペミカンは脂肪の塊(かたまり)ですから、カロリーを使う冬の食事にはピッタリです。
現在は、レトルトなどがあって、ペミカンは見ることがないですが、脂肪を追加できないので、脂肪を追加できるペミカンは、冬の食事(夏も凍らせて持っていくと2~3日は持ちます)には、まだまだ使えると思います。
なにより、不思議と下界では、こんな高カロリーなものを見ると、食欲はわきませんが、なぜか冬の登山では、無償に食べたくなります。
活力源としてはとてもおすすめな食事ですね。
ペミカンの作り方|まとめ
ペミカンはソロというよりは、大人数での泊まりのときに力(ちから)を発揮します。
食事は苦しい山行の中で、唯一(に近い)の楽しみ。
食べ物がまずいと、やる気が一気になくなります。
次の日も食事のことが、楽しみのはずが、苦行でしかないと思うと、前に進むやる気が生まれてきません。
ペミカンはそんな食事に深みとコクを入れて、栄養満点、やる気も満天。
泊まりで食料担当になったときに、みんなの喜ぶ顔を浮かべながら用意をしてみるといいと思います。