メリノウール ユニクロの登山レビュー
登山でユニクロメリノウール「エクストラファインメリノタートルネックセーター」を使ってみました。ウール特有の汗が乾かないデメリットは変わりません。それでも肌に直接着ると冷たさは軽減します。そして重ね着をすれば冷たさはどんどん少なくなるので寒い時期がおすすめ。大量の汗の場合モンベルのメリノと比べると性能は劣ると感じました。でも価格が安いのでコスパは高いです
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- ユニクロのエクストラファインメリノは縮む心配は少ない
- エクストラファインメリノの洗濯方法は?
- 登山でユニクロメリノウールを使うメリット
- ユニクロメリノウールのデメリット
- ユニクロにメリノウールに基本機能が書かれていない理由
ボクの使った限りではウール特有の汗が乾かないデメリットはやっぱり変わりません。濡れると重くなりやや冷たくなります。主観では化繊よりは暖かく感じます。人によってはそれほど差がなく感じる人もあるので参考までに。乾きはコットンと同じくらい遅いので、登山中に濡れてしまうと乾かないと思っていいです。
登山やトレッキングでも使えますが、ハイキングやキャンプで使うとよりメリットが高いと感じました。乾きにくいので、汗をたくさんかくような運動には合わないと思ったからです
ユニクロメリノウール製品は価格は安くて魅力的。でなんとかトレッキングで活かすなら直接肌に着るとかなり冷たさが軽減します
(https://im.uniqlo.com/images/jp/pc/goods/419192/item/65_419192.jpg)
メリノウールって何ですか?
ウール生地はヒツジから得られる羊毛のことを言いますが、メリノウールとはその中でも羊毛をもっとも多く産出しているメリノ種から作られたウールのことを言います。毛の質がヒツジの種類の中では最も繊細でおおよそ18ミクロンから25ミクロン程度。色も白く長くて丈夫なので衣料用の羊毛に最も適しているウールがメリノウールです
(参考:Wikipedia)
エクストラファインウールとは?その特徴
エクストラファインウールとは、メリノウールの中でも二番目に高級なウールのことで約18.5~19.5μの細さのメリノウールのこと。メリノウールは繊維の細さによって呼び名が違い、順番にストロングメリノ(23-25μ)、ミドルメリノ(20-22μ)、ファインメリノ(20-21μ)、エクストラファインメリノ(18.5-19.5μ)、スーパーエクストラファインメリノ(16.5-17.5μ)という分け方になります。参考までにヤギのカシミヤはもっと細くより高級な13~16μ。ただ繊維が細く高級になればなるほど肌触りはよくなりますが、耐久性がなくなり毛玉になりやすいというデメリットが大きくなります
(参考:https://japan-tex.com/column/article-2305)
(参考:ユニクロ メリノウール)
(参考:羊の種類とウールに関する詳しい特徴)
ユニクロのエクストラファインメリノは縮む心配は少ない
ボクが使っているユニクロのエクストラファインメリノアイテムは洗濯しても縮みません。ほかの洗濯物と一緒に洗濯していますが問題なく使えています。ただ生地の伸びは注意です。洗濯するときはネットに入れて絡まないようにして、干すときはハンガーにかけると部分的に伸びてしまうので、平干し推奨です、
エクストラファインメリノの洗濯方法は?
メリノウールは洗濯機で洗えるウール。仕様によっては乾燥機に入れてもよいメリノウール素材もあります。洗濯機で洗濯するときは洗濯ネットに入れて、中性洗剤で洗います。そのときは柔軟剤も忘れずに。水につけておくと生地が硬くフェルトのようになってしまうので、水につける時間は短時間が原則。濡れたまま放置は×です。基本は平干し。ハンガーなどに吊り干しすると伸びてしまうのでおすすめしません。
(参考:メリノウールの洗い方)
登山でユニクロメリノウールを使うメリット
メリノウールを登山で使うメリットはいくつかありますが、ユニクロのメリノウールの場合、安くて、チクチク感が少ないという2点が大きいメリット。その中でも安さは大きい。登山メーカーで比較的安いモンベルのシャツと比較しても約2分の1程度の価格で格安です。
▼ユニクロのレディースメリノウール
(https://www.uniqlo.com/jp/store/goods/420979)
<ユニクロメリノウールのメリット>
<ウールの一般的なメリットについて>
ユニクロのメリノウールはチクチク感を解消、肌にやさしい
登山のユニクロメリノウールのメリットその1は、チクチク感の解消です。ウールのデメリットの1つは「チクチク感」。チクチクのもとは、毛そのものの太さが太いことと、ウールは表面にウロコ状のスケールの先端が肌に触ることが原因これをユニクロは解消しています
(https://im.uniqlo.com/images/jp/pc/goods/418670/sub/418670_sub21_popup.jpg)
チクチク感の原因
ウールのチクチク感の原因は表面のウロコ状キューティクルと繊維が太いことにより先端がしなやかでないことが原因です
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原糸のまま使うと、チクチク感があるという難点があります。これに深くかかわっているのが、繊維表面のうろこ状の表皮「スケール」です。
(ファイントラック)
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チクチク感の原因は繊維の太さで、ウールの場合は主に羊の種類の違いに由来するものです。
(https://store.descente.co.jp/column/column_marmot_woolmark.html)
チクチク感をどう解消したか
ユニクロがこれを解消した具体的な手法はオープンにしていませんが、口コミでは「チクチクした」という書き込みが極端に少ないので、チクチク感はほぼ完ぺきにクリアしているようです
クリアした理由は、細い繊維を使った結果と、「マシンウォッシャブル加工の結果」だと予想されます
ウール表面の「スケール」というのは、人間の毛でいう「キューティクル」のこと
濡れるとそれが絡み合って縮むことがありますが、このスケールを樹脂でつつんだり、スケールを除去したりして絡むことを防ぎ、洗濯機で洗濯しても縮みを防ぐようにすることがマシンウォッシャブル加工といいます
ウールのチクチクの原因もこのスケールの先端がチクチク感じることが要因です
マシンウォッシャブル加工でスケールの先端を加工することでこのチクチクを少なくしていると思われます
また「ウールの中でも特に上質な19.5マイクロンの極細メリノウール」を使用しているので、細くし柔らかくすることでチクチク感を解消しています
この2つの理由で、チクチク感がなく、敏感肌の人にも扱いやすくなりました
ユニクロはメリノウールなのに価格が安い
コスパがいいことは、ユニクロアイテムの必須要件で、メリノウールのアイテムも他と比べると安いです
登山用アイテムを比較的安く扱っているモンベルと比べてみても半分くらいの価格です。ただ機能性は価格差相応なので、簡単に価格比較だけでは難しいかもしれません
比較 | ユニクロエクストラファインメリノ | モンベルメリノLW |
---|---|---|
画像 | ||
価格 | 2,990円 | 6,050円 |
(画像出典:ユニクロ(https://www.uniqlo.com/jp/store/goods/418670))
比べるアイテムにもよりますがメリノウールのシャツでは価格差が大きいのがわかります
比較しているのがモンベルメリノウール最薄の「スーパーメリノウール L.W. ラウンドネックシャツ 」でも6,050円なので、ユニクロはかなり安いということができると思います。ちなみに厚めの「スーパーメリノウール EXPシャツ」は9,020円です・・・(参考:モンベルメリノウールEXP >>)
価格差は機能の差ですが、環境が厳しい登山でなければ、ユニクロアイテムはトレッキングで問題なく使えるので、お財布が気になるなら、ユニクロもアリだと思います
ウールの保温機能の仕組み
ウールの保温機能が高い仕組みは、ウールはクリンプと言われる繊維の縮れによりそれらが絡みついてふんわりと空気をためこむために保温性が高いのです
(参考:https://ecodepa.jp/hpgen/HPB/entries/520.html)
ウールの調湿機能の仕組み
調湿機能の仕組みは、ウールは繊維のコルテックスといわれる芯が親水と言って水に良くなじむため湿気の吸湿率が良く、余計な湿気を吸収します。そして逆に外が乾いてくるとそこから湿気を放出するので湿気を調整する機能になります
ウールの消臭機能の仕組み
消臭効果の仕組みは、ウール繊維のコルテックスと言われる芯がアルカリ性のニオイと酸性のニオイの両方を吸着する作用があるからです。ニオイというのは皮膚の細菌が汗を分解する際にアンモニアや酢酸出すために臭いのですが、ウールはその両方のニオイの成分をコルテックスが吸着してくれます。またウール繊維の表面が水をはじく機能があるので、繊維表面に水分が残りにくく、バクテリアの繁殖が抑えられるためにおいが出にくいようになります。
(参考:https://wool-blog.com/wool/20220830/)
ウールが濡れても暖かい理由
ウールが濡れても暖かい理由は発熱するチカラが強いからです。天然繊維の多くは湿気を吸収すると発熱します。特にウールは発熱量が高く、レーヨン、キュプラ、綿よりも発熱するチカラは高いです。その発熱量が大きいのは、ウールは化学吸着と言われるより発熱量が大きい作用により、水分を吸うとより大きい暖かさが生まれます
(参考:https://wool-blog.com/wool/20220402/)
参考:ウールと化繊 濡れた時の暖かさは変わらないという実験もある
参考に登山雑誌ピークで行った実験。この実験はウールと化繊のシャツを濡らして風を当てたときの温度をサーモグラフィーで測った実験です。この実験では、温度はあまり変わらないという結果になりました。
▼雑誌ピークのウール・化繊の汗冷え実験
ボクの感想としては、直接風をあてているので、実際の現場の状況とは違うのでは?・・・と思いました。実際の現場ではシャツに直接風が当たることは少なく、上着である程度風が遮断すると思います。ウールが発熱していても風を直接あてると強い気化熱で熱を奪われるので、差がよくわからなかった可能性があります。
ボクの感覚としてはやっぱり濡れると化繊よりウールのほうが暖かく感じます。今度は風を当てなかったときの温度のデーターもほしいと思いました
ユニクロメリノウールのデメリット
ユニクロのメリノウールのデメリットは登山メーカーのメリノウールと比べると機能が劣ることです。日常使いではさして気になるところはありません。でも登山に使うと比較的汗が冷たい、やや重い、濡れた状態で登山メーカーのウールと比較すると暖かくないということがわかります。毛玉になりやすいデメリットもあります。価格差が大きいので機能的にはしょうがないところで、これでもコスパの割には頑張っていると思う次第です
メリノウールアイテムの公式の概要には一般的なウールのメリット、保温、調湿、防臭とは書いてありません。書いてある特徴は「肌触りの良さ」のみ。それらの一般的なウールの機能はあることはあると思いますが、ユニクロアイテムはそれほど強くないということがわかります
ユニクロにメリノウールに基本機能が書かれていない理由
ユニクロメリノウールアイテムには、ウールの一般的なメリット「保温、調湿、防臭」が書いてありません。その理由は洗濯機で洗える加工=マシンウォッシャブル加工をしているためと推測されます
マシンウォッシャブル加工(洗濯できるような加工)をしているということは、ウールの最大の特徴であるスケールを処理してしまっているので、100%ウールのチカラを発揮させているわけではありません
モンベルのメリノウールもウォッシャブル加工をしていますが、そのほかにも保温のためにいろいろな工夫をしています。だから高価なんです
▼モンベルのウォッシャブル加工
あくまで値段相応ということを念頭にいれておいてほしいです
また、冒頭でも話したように、個人的にユニクロメリノウールは濡れ重くなると、ヒヤッとする感覚があります。特にカラダは上着を着て保温すればそれほどでもありませんが、首周りの冷たさはなかなか解消しませんので注意が必要です
▼表面はサラサラとした感覚ですが、ちょっと冷たい感じが気になります
▼ユニクロを登山で活用する方法です
▼冬の登山にユニクロを使う方法です
▼トレッキングの人気ブログも参考になります
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(アイキャッチ出典:https://im.uniqlo.com/images/jp/pc/goods/420983/sub/420983_sub11_popup.jpg)
レイヤリング次第では改善されるかも知れません。メッシュの下着の上にメリノウールセーターを着ると汗冷えしにくいそうですから早速このメッシュアンダーウェアTSドライを頼んだので届いたらユニクロのメリノウールと一緒に着て試してみようと思います
コメントありがとうございます
確かにそれならイケるかもしれません
メリノウールも上に厚着をすれば冷たくなることもないので、どれだけ汗をゆっくり発散させるか、どれだけ冷たいところを触れさせないか・・・などを考えると使えると思います
使った感想を聞かせてほしいです
2/6の−4度の吹雪の札幌で着てみました。直に肌着として着用し、上はフリースのみ。中島公園から北海道神宮まで往復9km。立ち止まっときはダウンジャケットを着用し、ロングスパッツ、ビーニー、ネックウォーマー、グローブを着用しました。背中の汗も冷たいけど終始特に寒くなかったです。優秀です。
コメント感謝です
ボクも最近はじか肌です
昔のウールはチクチクして大変だったようですが、今のウールはそんなことは少ないので助かります
静電気も置きにくいのも助かってます