台風時の登山、例えば台風直前直後に登るには、それなりの覚悟と準備と判断必要です(富士登山などは避けるべき)
ここでは台風直前直後の登山のやり方を書いてみました
台風の登山は当然のようにおすすめはしませんが・・
原則、台風前後の登山はおすすめしません(というか、他人に迷惑がかかるのでダメだと思います)
ですが、富士登山など、どうしても予定を変えられない登山のときに、台風が来た時は悩ましいと思います
自分は台風の前後に練習として登山をすることがありました
平地では暴風警報が発生して、自宅付近はとても強い風に見舞われ、風の影響で電車も止まり、自宅周辺でも太い木も倒れていて、台風どころか竜巻があったような状況
そのような状況で、以前練習をかねて台風時の登山をやっていました
危険と判断して山頂までは行けないことも多いですが、今回はその方法を紹介します
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台風が来ないところに行く|台風の来ない県
台風のときはとにかく被害の少ないところに行くのが一番の手段
日本は台風が列島沿いに進むことが多いので、ほとんどの県で台風が上陸すると思っていましたが、意外と上陸という意味では「台風の来ない県」を探してみました
全体を通して見てみると、
・富山県
・香川県
・石川県
この3県が台風だけでなく自然災害が少ない県のようです。台風のときは真っ先にこの付近の天気をみるといいかもしれません
調査データーは下記のとおり
調べたデータはこちら|台風の来ない県
気象庁のデータをみてみると、
- 1位 鹿児島県 上陸42
- 2位 高知県 上陸26
- 3位 和歌山県 上陸24
- 4位 静岡県 上陸21
- 5位 長崎県 上陸17
- 6位 宮崎県 上陸14
- 7位 愛知県 上陸12
- 8位 千葉県 上陸9
- 9位 熊本県 上陸8
- 10位 徳島県 上陸7
(参考:気象庁(https://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/typhoon/statistics/ranking/landing.html))
・・・いつも真っ先に被害に遭う沖縄県がありません。 いろいろ調べてみると
気象庁が定めている、台風の上陸の定義は、「台風の中心(気圧の一番低いところ)が、北海道、本州、九州、四国のいずれかの陸地に達したとき」を「上陸」ということになっています。
(江波山気象館)
ということから、上陸数を出すと通過だけの沖縄が出てこないという結果になります。「通過」のデータ入ってないとするとあまり参考にならないデータのような気がします
そこで災害数を調べてみました
(災害に強い都道府県ランキング)
1位 滋賀/
2位 佐賀/
3位 香川/
4位 徳島/5位 富山/6位 長崎/7位 福井/8位 鳥取/9位 石川/10位 高知/11位 山梨/12位 大阪/13位 青森/14位 三重/15位 奈良/16位 和歌山/17位 秋田/18位 愛媛/19位 島根/20位 愛知/21位 岡山/22位 山口/23位 宮崎/24位 沖縄/25位 宮城/26位 大分/27位 群馬/28位 広島/29位 福岡/30位 山形/31位 岐阜/32位 岩手/33位 長野/34位 栃木/35位 埼玉/36位 静岡/37位 京都/38位 東京/39位 茨城/40位 熊本/41位 北海道/42位 福島/43位 兵庫/44位 千葉/45位 神奈川/46位 新潟/47位 鹿児島
(アサヒ芸能)
これはアサヒ芸能が独自にランキングした順位。 全ての自然災害が対象なので、地震や大雪なども含まれています
ここから風水害がやたら低い県を抽出すると
総合ランキング5位・富山、6位・長崎、9位・石川、11位・山梨、27位・群馬、33位・長野
この6つの県が同じくらいかそれ以上の回数の風水害にあっても被害が極端に低い県と説明があります
(参考:アサヒ芸能)
加えて「2011〜15年の5年分」の災害被害額に特化した「weathernews」のデーターも合わせてみてみると
・宮城県/3兆8465億円
・岩手県/9316億円
・福島県/6291億円
・茨城県/1950億円・青森県/1846億円・千葉県/1721億円・新潟県/1581億円・鹿児島県/989億円・熊本県/984億円・北海道/920億円・三重県/873億円・栃木県/854億円・長野県/745億円・高知県/740億円・兵庫県/724億円・静岡県/650億円・福岡県/633億円・秋田県/592億円・大分県/592億円・山形県/591億円・岐阜県/481億円・京都府/431億円・群馬県/399億円・和歌山県/395億円・奈良県/368億円・山梨県/359億円・滋賀県/352億円・島根県/327億円・徳島県/288億円・沖縄県/288億円・広島県/283億円・山口県/274億円・宮崎県/254億円・長崎県/236億円・岡山県/199億円・愛媛県/196億円・石川県/153億円・埼玉県/122億円・神奈川県/119億円・香川県/96億円・愛知県/72億円・福井県/71億円・佐賀県/61億円・富山県/56億円・東京都/51億円・鳥取県/38億円・大阪府/16億円
(weathernews)
上位は東日本大震災の影響が大きい県が占めています。 被害が低い県を見てみると、大阪、鳥取、東京、富山、佐賀などが被害額がかなり低いです
これらの3つのデータから「・富山県・香川県・石川県」が災害が少ないと考えました
[台風の登山]台風前後に登山(トレーニング)に行く方法
台風前後の登山(トレーニング)は危険を伴いますので、十分注意して行ってください
夏になると台風シーズンがやってきます
とりあえず、台風の真っただ中に山に入ったことはあまりありませんが、台風が来る前と台風が行った後は、練習で山に登っていったことがありました。
危ないことはわかっているので、十分安全マージンを考えて、なるべく安全に近くの良く見知った山限定を決め、家族にはあまり良い顔をされない中、山に向かっていました。
台風直撃の前と後ろとなると、人は全くいません。
一番自分が気に入っているのはその人が全くいないことで、一人の登山でトレーニングに集中できます
ときどき同じような人もいることがあってびっくりするようなこともありました
なのであまり人にはススメられません
ほぼトレーニングです
台風直撃前の山の環境
台風直撃前の山の環境は、一言でいうと風と雨の景色です。
特に風は強く、風の息と言われるドゥーと吹いて少しやむような吹き方がひっきりなしに続きます。
木々はたわんで横に揺れ、葉っぱも風で飛ばされて飛んでいきます。
このときは枯れ木が落ちてくるときがあるので、十分注意が必要です。
周りがそのような環境で、かなり荒々しい雰囲気ですが、このときは、なぜか自分の呼吸が、自分にとって一番大きく聞こえます。
おそらく、集中力が全開であるので、そのような現象になると思います。
このような特に自分の行動に集中できるのも、好きな理由の一つかもしれません。
台風一過の山の環境
台風一過の場合は、多少風は強いですが、だんだんと晴れてきて、空気の汚れも台風が洗い流してくれたため、とてもすがすがしい空気が楽しめます。
山頂も誰もいなく、空気が綺麗なためか、とても遠くまではっきり見え、とても満足できる山行ができると思います。
しかし、その景色とは裏腹に、台風の爪痕がそこかしこにあるため注意が必要です。
例えば倒木です。
ある程度台風が直撃しているときに、弱い木や枝は折れたり倒れたりしているので、台風前よりは危険度は少ないですが、倒れ掛かっているものは、何かの衝撃を加えると、また倒れてくることがあります。
風は弱まったといってもそれなりに強い場合があるので、次に自分が通過する登山道の周辺を早めに目で見て、倒れそうな木がないか確認が必要です。
また、雨の影響による水たまりやぬかるみも注意が必要になります。
平らな登山道の水たまりは、周りの地面と平行に見えますが、浅いのか深いのか、濁っているとわかりません。
浅いと思って、足を入れると深い場合があるので、注意が必要です。
なるべく水たまりには足をいれないようにしたほうがいいです。
また、登山道もぬめって大変滑りやすくなります。
なるべく遠回りでも、草付きの場所や足場がしっかりしているところを通過するようにした方がいいです。
台風登山の「必要装備」
このような環境に向かうにはそれなりの装備が必要です。
特にこのような環境に好き好んで行くということは、あまり喜ばれるものではありません。
そのため、一度ケガなどをしてしまうと、自分の信用が揺らぎ、家族の反対を受けてしまいます。
そして多くの方に迷惑がかかるのだという心構えが必要で、気を引き締めて行かなければなりません。
通常の山行でも、そのような考えは必要です。
しかし、慣れてしまうと、あまり気にならなくなってしまうことが多いです。
そのため、このような環境に飛び込むことで、
できることも、このやり方のメリットの一つだと思います。
以下の装備はどんなに簡単な山でも、台風前後には必要な装備ですので、参考にしてください。
1)ヘルメット
まずはヘルメットです。
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このときばかりは誰もいないことが多いですから、ほとんどだれも見る人はいません。
そんなことから、必要以上かと思われようとも、それなりの装備をしたほうがいいと思います。
ヘルメットは、枯れ木などの倒木に対処するために必要です。
自分の場合、特に上部には気を付けるようにしているので、頭に枯れ木が直撃したことはまだありません。
しかし、足の腿(もも)くらいの大きさの木が、新しく倒れている現場を何度もみているので、気を付けなければなりません。
2)軽アイゼン
軽アイゼンは勾配のある登山道のぬかるみ対策です。
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どんなに気を付けていても泥の勾配のある登山道は転びます。
軽く転ぶだけならいいですが、意識していないところで、突然足をすくわれたように転ぶと、ほぼケガをする場合が多いと思います。
また、転んで泥だらけになると、それだけで気持ちが落ち込んでしまうものです。
軽アイゼンを付けて、足元の安全を確保すると、それだけで他の危険対策に気持ちが集中できるので、全体的にケガをすることが少なくなります。
3)ザックカバー
これは転んだときの汚れ対策です。
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勾配のある登山道では、軽アイゼンをしていても、ぬかるみがひどいところでは転びます。
下りで転ぶと、ザックが目も当てられないような汚れになってしまいます。
気持ちよく、山頂を踏み、その帰りにこのような状況になると、とてもヘコみます。
そうならないために、保険としてザックカバーを付けるといいと思います。
長靴(ながぐつ)での登山は危険ではありません
雨の日の簡単な登山には実は長靴が最適です。
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汚れを落とすのも早く、一番は完全防水です。
レインウェアのズボンを長靴にスッポリかぶせれば、即席のゲイターで、自分の経験上、長靴より深い水たまりに入らない限り、防水性はバッチリです。
登攀(とうはん)などがあるような登山や、盛夏(せいか)でなければ、ほぼ4シーズン履けます
柔らかいので、足裏が少しいたくなったり、下りで足先が痛くなりますが、寒さ対策でインナーを履けば問題ありません。
長靴にフィット感はいりません。
きついものは足に負担がくるので、少し歩きづらくても、少し大きいものがいいです。
少し大きくてもインナーで調整が可能なので、参考までに。
(▼長ぐつにはインナーが優秀 通気性もよくてとても軽い ぬれてもあったかいです)
[台風の登山]最後に
台風の前後に山に行くという行為は、あまりオススメできるものではありません。
それでも、そのような環境でしか見られないものが、山には多くあります。
自分の行く理由は、人が少なくなることが一番の理由ですが、そのような環境を見ておくと、万が一、通常の登山でそのような環境になったとしても、ある程度の対処が、慌てないで出来ると思います。
無理な登山の理由付けと思われるかもしれませんが、この記事が何かの足しになればと思います。
以上。
※昔、子供のころは「台風一過」を「台風一家」だと思っていました。たぶんそういう人は多いような気がします。